22-23セリエA第13節 vs スペツィア(H) 因縁
前節はトリノに敗れて首位との差が開いたが、ミッドウィークはザルツブルクに勝ち、CL決勝トーナメント進出を決めて迎える7連戦の5試合目の相手は前回対戦の悪夢が記憶に新しいスペツィア。
スペツィアは2勝3分7敗、10得点22失点の16位。5試合勝利がなく、そのうち4試合が敗戦。アウェイは6戦全敗で0得点13失点。
- 得点数16位。セットプレーが2点、PKが1点、OGが2点。後半は2点しか取れていない。途中出場の選手の得点なし。シュート決定率8%。
- エンゾラが5点、バストーニが2点、ホルムが1点。
- シュート数18位。枠内シュート数最少。枠に当てた回数0回。ヴラシッチが枠内シュート数7位タイ。ラドニッチが枠外シュート数8位タイ。
- CK数10位タイ。
- オフサイド数2位。ギャシがリーグ最多。
- 失点数18位タイ。無失点試合1。最初と最後の15分の失点が総失点の50%を占める。
- セーブ数3位。
- リカバリー数8位。ブラビアが2位、ニコラウが17位タイ、キヴィオルが24位。
- クリア数3位。
- 1試合平均走行距離リーグ8位。チームトップはブラビア。
- ポゼッションタイム17位。パス成功数16位。ファイナルサードのパス数17位。
- キーパス数17位。チームトップはバストーニとブラビア。
- ボールロスト数リーグ最多はエンゾラ。15回差の2位タイにアグデロ。
- ドリブル数10位。被ファウル数チームトップはアグデロ。
- ファウル数リーグ最多はエンゾラ。
- セリエAの過去4試合は2勝2敗の五分。シーズンダブルがない。
ザルツブルク戦後の2日間
特になし。
先発&フォーメーション
ミランはイブラ、フロレンツィ、カラブリア、サレマーケルス、メニャン、デストが負傷欠場。ラゼティッチは招集外。
スペツィアはニコラウが出場停止。ギャシ、バストーニ、コヴァレンコが負傷欠場。
スタッツ&控え
ハイライト
流れ
スペツィアは5-3-2ミドルプレス。ミランはカルルから前進を狙う。アグデロがカルルにプレスに行くと、オリギが裏を狙い、ブラヒムがエクダルとアグデロの間に降りて受けたり、クルニッチが右に開いたり、クルニッチが空けたスペースにオリギが降りたり、右サイドからプレスをいなして、ベナセル中心に左右に展開して押し込んでいく。
ミランのプレスはブラヒムがカルダーラとエクダルの中間ポジションを取り、メシアスは完全にホルム番で3-4-1-2。スペツィアは後ろで少しだけ繋いでミランの前線のプレスを誘い、ホルムやエンゾラにロングボールを入れて中盤でセカンドボールを拾って押し込もうとする。
12分、アグデロのミドルシュートをベナセルがブロックしてスペツィアの左CK。キヴィオルのアウトスイングの低いボールをニアでカルダーラがアウトで合わせるがタタルシャヌがセーブ。
13分、後ろ向きのエンゾラにトモリが寄せてボールを突く。レオンがこぼれ球を拾い、アンパドゥ、エクダル、アミアンをかわして運びゴール前に折り返すと、上がっていたトモリが右足で合わせるがドロンゴフスキが足でセーブ。
15分、ミランが押し込んでメシアスがカットインミドルシュート。キヴィオルがブロックしてこぼれたボールをクルニッチが撃つがバーに直撃。そのこぼれ球をベナセルが拾い、レオンがインスイングのクロスを入れると、ファーでブラヒムが頭で合わせるがドロンゴフスキがファインセーブ。
17分、オリギがロングボールを落としてメシアスがミドルシュートを撃つがドロンゴフスキが弾き出す。
20分、右サイドから押し込むミラン。メシアスがブラヒムとスイッチしてカットインから中央のべナセルにパス。ベナセルは左ハーフスペースでアミアンの背後を狙ったテオにフライスルーパス。テオが胸トラップからニアに流し込んでミランが先制。VARのオフサイドチェックで5分待ち。1-0
29分、カルルにダニマルがプレス、クルニッチにアグデロが付き、右に降りて受けたブラヒムにホルムが寄せるがブラヒムがかわしてファウルをもらう。
30分、テオから内側を降りたレオンが受けるが、アンパドゥがカット。ダニマルからカウンターを狙うがクルニッチが遅らせる。ダニマルはブラビアに下げて、アミアン、エクダルと繋ぎ、エクダルからブラビアがベナセルを弾き飛ばして受ける。ブラビアがクロスを上げるがトモリがブロックしてCK。中央横にはダニマルが浮いていた。ブラビアのアウトスイングのボールをニアでカルダーラが頭で合わせるがタタルシャヌがセーブ。
32分、カルルが低い位置でタッチミスをしてアグデロが奪いPA内のエンゾラにパス。ガッビアが戻ってシュートを撃たせず、エンポリは更にPA内に入ってきたダニマルにパスを出し、ダニマルがワンタッチで撃とうとするがクルニッチが戻ってブロック。
34分、ミランはパスミスが続き、スペツィアが右サイドから中央を経由して上がってきたキヴィオルが受け、左サイドからホルムがアミアン、ダニマル、エンゾラに向けて速いインスイングクロスを上げるが、テオがダニマルに身体を当てて飛ばせない。
35分、スペツィアがハイプレスでタタルシャヌのキックミスを誘う。
38分、左右に揺さぶるミラン。カルルからホルムの背後のメシアス、落としをブラヒムがサイドチェンジ。左でテオ、ベナセル、レオンで繋ぎ、右のカルルへ。カルルからブラヒムが右に開きながら受け、食いついたアグデロをかわしPA内に侵入しゴール前に折り返すがドロンゴフスキが弾く。こぼれ球をレオンが拾い、左サイドのベナセルからハーフスペースに飛び出したテオにフライスルーパス。テオがボレーで折り返すが、当たり損ねてドロンゴフスキがキャッチ。
42分、ミランがクルニッチとベナセルを中心にボールを運び、ベナセルからテオが中央で縦パスを受けるがアンパドゥがボールを突く。こぼれ球を拾ったアグデロが前線のエンゾラにロングパスを出すと、飛び出したタタルシャヌをかわして右足でシュートを撃つがバランスを崩して大きく枠を外す。
45+2分、ベナセルが左サイドでアグデロからボールを奪い、粘ってキープし前線に蹴る。カルダーラが頭で弾き返したボールをクルニッチが鋭い出足で拾い、レオンが右のメシアスにパス。メシアスがホルムを縦にかわして折り返し、キヴィオルに当たってこぼれたボールをレオンが拾い、左足でミドルシュートを撃つと、ブラビアに当たってコースが変わったボールはバーに当たり、こぼれ球をクルニッチが撃つがアンパドゥがゴールライン上でブロック。
45+3分、テオのキックミスからスペツィアが攻撃。左から右にサイドチェンジし、右で繋ぎ、ブラビアがベナセルを抜き、ゴール前に折り返すが、エンゾラは合わせきれず。
1-0で前半終了。
後半からミランはカードをもらったベナセルに替えてトナーリを投入。
49分、中盤でクルニッチがブラビアからボールを奪い、パスを受けたオリギが運んでシュートを撃つがドロンゴフスキがセーブ。
56分、ミラン自陣左サイド深い位置のスローイン。テオがレオンに投げるが、アンパドゥがヘディング。こぼれ球をエンゾラが拾いPA内でキープ。ホルムに下げて、ホルムがワンタッチでクロスを上げると、クルニッチの背後から急にPA内に飛び込んだエクダルが頭で合わせるが枠の上に外れる。
58分、押し込むスペツィア。右サイドからのロングスローはガッビアがヘディング。こぼれ球を中央でレツァが拾い、左のダニマルにパス。ダニマルがメシアスとの球際勝負に勝ち、PA角からコントロールシュートを撃つと、右隅に決まりスペツィアが同点にする。1-1
63分、トモリが左に流れて受けたエンゾラからボールを突き、こぼれ球を拾ったレオンが右のオリギにパス。オリギは右サイドに運び、DFを2人引き付けて中央に横パス。これをトナーリがワンタッチで完璧なミドルシュートを決めてミランが勝ち越し。と思われたが、VARが介入し、トモリがエンゾラを蹴っていたとしてファウルで取り消し。
68分、スペツィアはアンパドゥがブラビアの位置に入る。
71分、ミランは3枚替えでロングボールやクロスが多くなる。
86分、スペツィア自陣左サイドスローイン。レツァが投げたボールをガッビアが蹴り返す。レオンが頭でジルーに繋ぎ、落としをテオがロングシュート。ホルムに当たったボールがゴール前でキヴィオルに当たり、こぼれ球をデ・ケテラーレが押し込もうとするがカルダーラがブロック。
88分、カルルのアーリークロスのこぼれ球をテオがミドルシュート。ブロックされたボールをエラートソンが拾って中央を運ぼうとするが、カルルがチャレンジしトナーリが奪う。そのままトナーリが右に運んでいきフリストフの背後を狙うジルーに滞空時間の長いクロスを上げると、ジルーがジャンピングボレーで合わせてミランが勝ち越し。2-1
ゴラッソの興奮のあまりユニフォームを脱いだジルーが2枚目のイエローカードで退場。
90分、ミランはカルル、チャウ、ガッビア、トモリ、テオの5バック、レビッチが最前線の5-3-1。
スペツィアはFWのストレレツを投入し、カルダーラを上げるパワープレーでロングボールを放り込む。
2-1で試合終了。
ミラン
完全に定着してきた感のある3-2-5での右サイドのビルドアップと左サイドへの展開で序盤から攻勢に出ることに成功した。ドロンゴフスキの活躍や運にも見放されて1点しか奪えなかったが、カウンターも含めて多くの決定機を作った。
ブラヒムはフリーで受けられる位置を見つけて出口になり、キレのある動きで突破も見せた。テオはアミアンとのマッチアップに完勝だったが、レオンはアンパドゥの厳しいマークに遭った。前節のジジといい、5バックの相手だとかなり近い距離で見られることが増えてきた。
少なくなかったピンチは奪われ方の悪さが直接の原因だけではなく遠因にもなっていたと思う。特に先制してからは、決定的なチャンスが多かったこともあってリードは1点なのに気が抜けているように見えることがしばしばあった。
ジルーらを投入した後はレオンはサイド寄りに位置してクロッサーになり、ジルー、デ・ケテラーレ、レビッチにロングボールとクロスを放り込みまくった。最終的にそれは功を奏し、トナーリの狙いすました素晴らしいパスとジルーの素晴らしいシュートが決勝点になった。
ジルーのシュートはジャンプしながら足を伸ばして、浮かさないようにボールにしっかりミートさせて逆サイドに決めるスーパーゴール。高くジャンプして足を伸ばすこと自体、今の運動不足の自分にはできる気がしない。阿呆な退場も許さざるを得ない最高の9番。
Another addition to this man's unreal career collection 🔝⚽#MilanSpezia #SempreMilan pic.twitter.com/iZTR2Sc76u
— AC Milan (@acmilan) 2022年11月5日
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) 2022年11月6日
何度も見てきた
ジルーのジャンピングボレー🔥
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まさに代名詞。
劇的な決勝ゴールも2枚目のイエローカード……
🏆2022-23セリエA第13節
🆚ミラン×スペツィア
📺 #DAZN 見逃し配信中 pic.twitter.com/wObuSGfhkW
ボランチ陣は3人とも素晴らしかった。ベナセルは前半最後のピンチに絡んでしまったが、テオへのアシストを含めて完璧な配球を見せていた。トナーリはゴラッソ未遂に気落ちせず、ボール奪取から運び、ジルーの位置を見た素晴らしいキックでアシストする気持ちの強さを見せた。アタッキングサードへのパスの質が物足りなかったり、決定機を逃したり、止められたり、失点場面ではダニマルに抑えられたりしたクルニッチだが、ビルドアップの絡み、セカンドボールへの反応やカウンター対応でチームを助けて90分走りきった。
次は中2日で水曜日にアウェイでクレモネーゼ戦。中2日3連戦の3試合目、テオとジルーが出場停止で、相手は未勝利だが内容は良いクレモネーゼ。怖い。
スペツィア
何故か簡単に勝たせてもらえないし何かが起こる。
ダニマルは昨季のスペツィアvsミランでセリエA初ゴールを奪って、今季はスペツィアの選手としてサン・シーロでの初ゴールを奪った。マルディーニがサン・シーロでゴールを奪うのは5333日ぶりらしい。
5333 - Daniel Maldini has found the net in San Siro 5333 days after his father, Paolo, back in March, 30, 2008 in Serie A. Dinasty.#MilanSpezia #SerieA pic.twitter.com/ei3Xyia1gR
— OptaPaolo 🏆 (@OptaPaolo) 2022年11月5日
ギャシが負傷していなかったらダニマルは先発していなかったはずの保守的なゴッティは攻めに行く時しかやらないが、4バックでヴェルデとダニマルを同時起用している時が最も面白いので基本システムにしてほしい。
主審 Micheal Fabbri VAR Luca Banti
トモリとエンゾラの接触は流れで見た時は完全にボールを突いたように見えたが、VARの映像だとボールより先にエンゾラを蹴ったようにも見える。明白な間違いかどうかは微妙。そして、終盤は揉め事もあり、カードをコントロールできず。