自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

22-23セリエA第17節 vs ローマ(H) 失望の勝ち点1

 

 中断期間にも負傷者が続出しながら新年最初の試合を制し、ナポリとの差が5ポイントに縮まった2位ミラン

 

 ローマは9勝3分4敗、19得点14失点の6位。中断前は3試合未勝利だったが、再開初戦の前節はボローニャに95分のエイブラハムのスーパークリアもあって1-0で勝利。最近4試合は複数得点がない。11月にはジャパン・ツアーで名古屋グランパス横浜Fマリノスと対戦したが2試合とも引き分けだった。ボデ・グリムトからソルバッケンを獲得している。

  • アウェイゲーム5勝2分1敗、11得点9失点。
  • 得点数10位タイ。セットプレーが5点、PKが3点。60~75分に最多の5点、前後半最後の15分に4点ずつ。シュート決定率8%。ビッグチャンスを逃した回数最多
  • ディバラが5点でチームトップ。エイブラハムとスモーリングが3点、ペッレグリーニがPKで2点、1点が6人。
  • ペッレグリーニが4アシストで9位タイ。
  • シュート数7位。枠内シュート数7位。枠内シュート数4位タイにエイブラハム、枠外シュート数チームトップはザニオーロとエイブラハム。
  • 枠に当てた回数12回で最多。ディバラが3回、エイブラハムが2回。
  • PK獲得回数5回で2位。
  • 失点数4位。無失点試合5。得点が多い60〜75分は1失点のみで最少。
  • PK献上回数0回
  • セーブ数19位(少)。
  • インターセプト数4位。
  • リカバリー数8位。4位タイにイバニェス、11位にクリスタンテ。
  • 1試合平均走行距離リーグ8位。4位にクリスタンテ、7位にペッレグリーニ。
  • ポゼッションタイム14位。パス成功数9位。ファイナルサードのパス数14位。
  • キーパス数8位。リーグ7位にペッレグリーニ。
  • ドリブル数6位。ボールロスト数2位タイにザニオーロ。
  • 被ファウル数10位にザニオーロ、11位タイにイバニェス。
  • イエローカード数19位(少)。
  • イバニェスは全試合フル出場。クリスタンテとマンチーニが全試合先発。
  • セリエA過去20試合の対戦成績は7勝6分7敗の五分だが、現在はミランが5試合無敗で3連勝中。サン・シーロに限るとミランの4勝3分3敗で、ミランが4シーズン無敗。

 

サレルニターナ戦後の3日間

 特になし。

 

先発&フォーメーション

 ミランはイブラ、フロレンツィ、メニャン、バロ=トゥーレ、オリギ、レビッチ、メシアス、クルニッチ、ケアーが負傷欠場。ナヴァとボッツォランがベンチ入り。

 ローマはワイナルドゥムとダルボエが負傷欠場。カルスドルプが招集外。モウリーニョがベンチ入り停止でアシスタントコーチのフォーティが指揮を執る。

 

スタッツ&控え

MILAN VS ROMA | Statistiche

 

ハイライト


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流れ

 

 ミランのビルドアップはベナセルがアンカー、IHにトナーリとブラヒムの4-1-2-3。ローマは基本は5-2-3でテオにザニオーロが付き、ベナセルはエイブラハムとディバラが背中で見る。ハイプレス時はザレフスキがカラブリアにプレスに行き4-4-2のようになり、ミドルゾーンではペッレグリーニがカラブリアにプレスに行き、ブラヒムを捕まえにイバニェスが前に出て4-4-2のようになる。

 ローマのビルドアップはミランの前線のプレスを誘って、エイブラハムら前線に縦パスやロングボールを入れていき、敵陣に広がるスペースを速く攻める。ミランのハイプレスはダブルボランチがバランスを取ってどちらかが前に出て相手のボランチを捕まえ、WBにはSBが出る。

 

 28分、ミランが自陣左サイドでボールを奪いカウンター。テオが運び、ブラヒムのミドルシュートルイ・パトリシオが弾き出してCK。トナーリのアウトスイングのボールをニアの密集の裏でイバニェスの前に潜り込んだカルルが頭で合わせてミランが先制。1-0

 33分、ミランビルドアップ。テオがトナーリとワンツーで前進を試みるが、ゴチャついたところをクリスタンテが奪い、テオが空けたスペースにザニオーロが飛び出す。ザニオーロはワンタッチでPA内のエイブラハムに繋ぎ、エイブラハムがヒールでディバラに繋ぐと、ディバラがトモリをかわして右足でシュートを撃とうとするが空振り。

 40分、中盤でルーズボールをクリスタンテがブラヒムに競り勝ち、ディバラがワンタッチで左のザレフスキに展開。ザレフスキがカラブリアをかわしてカットインミドルシュートを撃つが枠の右に外れる。

 1-0で前半終了。

 51分、ミランビルドアップ。カルルからジルーへロングボール。ブラヒムがサレマに渡し、内側でリターンを受けて運ぶ。ジルーに下げて、左ハーフスペースを上がってきたテオがミドルシュートを撃つがルイ・パトリシオがセーブ。

 53分、サレマが右サイドでドリブルしながらキープ。内側に運んだタイミングで大外に出たカラブリアにヒールで繋ぎ、カラブリアのクロスにジルーが頭で合わせるがルイ・パトリシオの正面。

 65分、ローマはマティッチとタヒロヴィッチのダブルボランチ、右シャドーにディバラ、左シャドーにペッレグリーニ。

 74分、ミランはトナーリが右ボランチでヴランクスが左ボランチ

 76分、ペッレグリーニのミドルシュートをカルルがブロックしたこぼれ球をテオが拾い、ヴランクスを経由してレオンへ。レオンがカットインからジルーがスモーリングを動かしてフリーになったポベガにラストパス。ポベガがワンタッチでゴールに流し込んでミランが追加点を挙げる。2-0

 77分、ローマは右にザレフスキ、左にエル・シャーラウィ。

 84分、ミランはガッビアを投入し5-3-2。

 86分、ローマの右CK、ペッレグリーニのアウトスイングのボールにトナーリのマークを外したイバニェスが頭で合わせて1点を返す。2-1

 92分、ローマの右サイドからFK。ペッレグリーニのボールにマティッチがフリーでヘディング。タタルシャヌが弾いたこぼれ球をエイブラハムが押し込んでローマが同点にする。2-2

 2-2で試合終了。

 

ミラン

 

 2点目を奪った時点で試合内容からも勝利を確信していたミラニスタが多かったと思うが、終盤のセットプレー2発で期待を裏切る失望の勝ち点1に終わった。これで再びナポリとは7ポイント差に開き、無失点8連勝と絶好調のユヴェントスに並ばれることになった。

 ビルドアップでは急がずにやり直しを繰り返し、ベナセル、ブラヒム、レオンへパスを通し相手の1stプレスラインを超えることができていた。特に右サイドのカラブリア、サレマーケルス、ブラヒムの3人はポジションチェンジ、ドリブル、飛び出しで効果的な攻撃を見せていた。とはいえ、チャンスに繋がっていたのはカウンターのほうが多く、良い奪い方ができていた。

 カルル、トモリ、ベナセルがロングボールを収めさせなかったのでハイプレスを裏返されることもなく、前節も素晴らしかったネガティブトランジションは今節も素晴らしかった。前線でボールを失った後はほとんどの場面で囲い込んで奪うことができていたと思う。セカンドボールへの反応や単純な球際勝負でも勝てていた。ベナセルはスーパー。ブラヒムは献身的にプレスバックを行い、守備での貢献度も高かった。

 上述の通り、慎重な攻撃と高強度のカウンタープレスにより、基本的にはミランが保持する落ち着いた試合だったが、2点目を取るとラインが下がり、PAを守るための5バックへの変更がそれを助長し、1点差に迫られた終盤は冷静さを欠き、試合をクローズさせる効果的なプレーができなかった。元気なエル・シャーラウィがちょこちょこドリブルしてくるのが鬱陶しく、前線に人を揃える時間を作られてしまった。

 セットプレーの2失点はどちらもトナーリがマークを外す大失態を犯した。どちらも与えずに済んだCKとFKだった気がするが、全て結果論で因果応報。終盤の過ごし方を間違えたことがこの結果に繋がった。起きてしまったことを悔やんでも仕方ないし、まだ道程は長いので、全員が糧にして成長していくしかない。

 

 次は中2日で水曜日にホームでコッパ・イタリアトリノ戦。10月のカンピオナートで敗れている相手との対戦だが、負傷者が多くターンオーバーが難しい状況。

 

ローマ

 

 終盤に試合の流れを一変させて、今季は得意のアウェイで勝ち点1を獲得した。

 エイブラハム、ザニオーロ、ペッレグリーニと4人同時起用したなかで、ディバラの守備の負担を減らすやり方を選択した。ペッレグリーニは攻守にハードワークしていたうえで見事なセットプレーのキック精度だった。

 ウザかったエル・シャーラウィ。

 

主審 Davide Massa VAR Massimiliano Irrati

 

 カードが多く、試合をコントロールできなかった。