自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

22-23セリエA第37節 vs ユヴェントス(A) 最低限の目標達成

 

 ユヴェントスが勝ち点10剥奪されたことで5位から4位に浮上したミランは今節引き分け以上で4位以内が確定する。しかし、大事な試合に頼みのクルヴァ・スッドがユヴェントスのチケット料金が高すぎることに抗議するため応援に来ず、完全アウェイで戦うことになる。

 

 ユヴェントスは21勝6分9敗、55得点32失点。成績では2位だが、不正会計の制裁により勝ち点10を剥奪されて7位。15連戦の最後となった前節は、延長戦の末に敗れたELの影響だけではなく、キックオフ直前にFIGCの裁定が発表された影響もあったのか、ネガトラが遅く、ミスからの4失点で敗れ、カンピオナート3連勝がストップした。

  • ホームゲーム13勝3分2敗、38得点14失点で1位
  • 得点数5位タイ。セットプレーから18点はリーグ最多。シュート決定率11%。後半のほうが得点が多く、75~90分に最多の13点。
  • ヴラホヴィッチが10点、ラビオが8点、ミリクが7点、ケーンが6点、ディ・マリアとブレーメルが4点、ダニーロ、コスティッチ、ファジョーリが3点。1点が7人。
  • コスティッチがリーグ4位タイの8アシストキエーザが5アシスト、ラビオとディ・マリアが4アシスト、クアドラードダニーロ、ファジョーリが3アシスト。
  • シュート数5位。枠内シュート数4位。
  • 枠内シュート数チームトップ3はミリク、ラビオ、ヴラホヴィッチ。枠外シュート数6位タイにヴラホヴィッチ。
  • 枠に当てた回数17回で最多。ミリクとヴラホヴィッチが3回、ディ・マリア、ラビオ、ダニーロクアドラードが2回。
  • クロス成功数3位。CK数4位。
  • オフサイド数9位。ヴラホヴィッチが4位タイ。
  • PK獲得回数6回、献上回数5回。
  • 失点数3位無失点試合は19回で2位。セットプレーから6失点。前半に失点が多く、30~45分に最多の9失点。75~90分は最少の2失点。
  • セーブ数11位。
  • リカバリー数15位。チームトップ3はダニーロ、ブレーメル、ラビオ。
  • インターセプト数11位。タックル成功数11位。クリア数7位。
  • PPDA(プレス強度指数)10位。
  • レッドカード数最多
  • 1試合平均走行距離リーグ8位。スプリント距離10位。全体の8位にラビオ。スプリントチームトップはコスティッチで2位にラビオ。
  • ポゼッションタイム11位。パス成功数9位タイ。成功率83%。ファイナルサードのパス数12位。ロングボール成功数3位
  • キーパス数6位。6位タイにコスティッチ
  • ドリブル数9位タイ。被ファウル数チームトップはラビオ。
  • セリエA過去10シーズンの対戦成績はユヴェントスの14勝2分5敗。現在はミランが4試合無敗で3試合で無失点ミランの5勝のうち4試合が無失点
  • アリアンツ・スタジアムではユヴェントスの8勝1分1敗。
  • ピオーリはユヴェントス戦通算3勝7分16敗。アッレグリミラン戦通算13勝3分6敗。ピオーリvsアッレグリアッレグリの14勝5分1敗

 

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サンプドリア戦後の7日間

 

 水曜日のトレーニング後にアドリの自宅でチームメイトの家族も招いたランチパーティーが開催された。

 

先発&フォーメーション

 ミランはベナセルとイブラが負傷欠場。レビッチ、バカヨコ、デスト、バスケスが招集外。カルル、ケアー、ポベガ、レビッチが累積リーチ。

 ユヴェントスはヴラホヴィッチ、ファジョーリ、ポグバ、デ・シリオ、カイオ・ジョルジが負傷欠場。ソウレがU-20WCに参加。

 

スタッツ&控え

JUVENTUS VS MILAN

 

ハイライト


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流れ

 

 ミランはクルニッチがアンカー、トナーリとブラヒムがIHの4-1-2-3でメニャンも加わってビルドアップ。ユヴェントスの被保持はハイプレス時はロカテッリがブラヒム、ラビオがトナーリ、キエーザがクルニッチをマークする。ミドルゾーンより後ろでは縦にコンパクトな4-4-2orコスティッチが下がって5-3-2ブロック。

 ユヴェントスのビルドアップはクアドラードがRSB、ディ・マリアがトップ下気味の4-2-3-1のような配置。ミランは4-1-2-3ハイプレスでブラヒムがロカテッリ、トナーリがラビオ、クルニッチがディ・マリアをマーク。レオンはガッティに付き、クアドラードにはテオが縦スライドか、テオがキエーザにピン留めされているときはトナーリがラビオからジャンプし、ラビオをトモリが捕まえに行く。ミドルゾーンでもロカテッリとブラヒム、ラビオとトナーリはマンツーマン気味で、クルニッチはDFラインと前線の3人を受け渡しながら水漏れのカバーに回る。

 

 12分、アタッキングサード手前でボールを動かすユヴェントスキエーザが右サイドで幅を取り、内側でフリーになったクアドラードダニーロからパスを受けてミドルシュートを撃つがメニャンがセーブ。

 15分、アタッキングサード手前、ブロックの外で受けたブラヒムからクアドラードとガッティの間を抜け出したトナーリにスルーパスが出るがオフサイド

 21分、チャウからジルーへ縦パス。ブラヒムが落としを受け、メシアスのインスイングクロスにトナーリが頭で合わせるが枠の上に外れる。

 23分、カラブリアからジルーへの縦パスにブレーメルが寄せて、ジルーのパスミスを拾ったケーンが運んでカウンター。右に運んで折り返しをディ・マリアが合わせるが枠の上に外れる。

 31分、自陣でボールを奪ったコスティッチが運び右サイドへ展開。ディ・マリアが時間を作り中央に上がってきたダニーロに渡し、内側に入ってリターンを受け、ケーンに縦パス。ケーンが反転シュートを撃つがメニャンがキャッチ。

 38分、ゴールキックビルドアップ。チャウから受けたメニャンが左サイドでフリーのテオにロブパス。テオが運び、最後はメシアスがシュートを撃つ。

 39分、押し込んだミランカラブリアアーリークロスをガッティの背後でジルーが頭で合わせてミランが先制。0-1

 45+2分、0-1で前半終了。

 

 後半からユヴェントスボランチの左右を入れ替え、ハイプレスは4-4-2、ローブロックはケーンが左に下がって5-4-1。ミランはビルドアップを4-2-3-1に変更し、ブラヒムが浮きやすくなる。

 62分、ユヴェントスはパレデスがアンカー、ケーンがLWGの4-1-2-3に変更。

 70分、ゴールキックビルドアップ。トモリがロカテッリを引き付けてトナーリにパス。トナーリからサイドで受けたレオンがワンタッチでブラヒムに横パス。ブラヒムにガッティとブレーメルが同時に食いつき、ブラヒムが流したボールをジルーが拾い、ジルーがPA手前まで運んでサレマにラストパス。サレマが撃つがシュチェスニーがセーブ。

 77分、ユヴェントスのクロスが流れて拾ったテオがレオンにロングボールを蹴り、レオンがカットインからシュートを撃つが大きく枠を外れる。

 81分、バロ=トゥーレがそのままLWGに入り、クルニッチがOH、ポベガがRDHに入る。

 83分、押し込んだユヴェントス。中央のパレデスからテオの背後を取ったラビオにロブパスを送り、ラビオが頭で合わせるが枠の左に外れる。

 90+1分、ユヴェントスの左CK。パレデスのインスイングの低いボールを中央でダニーロが左足で合わせるが、ゴール前のカルルに当たってクリア。

 90+4分、0-1で試合終了。

 

ミラン

 

 両者重い試合をジルーのヘディング一発で制して4位以内が確定し、今季の目標だった来季のCL出場権を獲得した。

 

 ビルドアップはクルニッチが引き付けすぎて出しどころがなくなる場面があったり、ジルーへのロングボールはブレーメルに弾き返されたが、メニャンを使ってプレスを誘えた時はクリーンな前進ができた。ミドルゾーンの保持ではブラヒムとトナーリが広がることでロカテッリとラビオの間が空き、2トップによる制限も厳しくないのでCBからジルーへの縦パスを入れやすかった。レオンが斜めに入って縦パスやジルーからの落としを受けるイメージを持っていればおもしろかった。トナーリはテオとレオンとポジションチェンジをしながら、低い位置ではビルドアップをサポートし、アタッキングサードではジルーがCBを引き付けた背後に飛び出してPA内に侵入していく場面も少なくなかった。

 被保持はプレスよりも撤退守備重視だったのか、全体的にダラダラしていて、プレスラインがズルズル下がり、撤退してから追い込む場所を決めて奪いに行くわけでもないので良くないように感じたが、連動したアクションによる崩しをユーヴェができないので、CBが広く動かされる場面が少なく、カウンター以外はなんとかなった。ディ・マリアを怖い位置で、怖い持ち方をさせなかったのが肝だったかもしれないが、ミランがそうさせたというよりユーヴェの愚策に助けられたという印象。何れにしても低レベルの攻防だったと言わざるを得ない。

 

 大事な試合はジルー先輩に限る。見事なヘディングシュート。カラブリアは稀に良いクロスを上げる。

 チャウは楔を打つだけでなく、レオンへ対角のロングパスも蹴り始めた。シャルケ時代のプレー集で見たので蹴れることは知っていたが、このまま行けば来季はレギュラーか。

 バロ=トゥーレの適役は逃げ切りのためのWG起用というのが2年間の研究結果。

 

 次は日曜日にホームで今季最終戦となるエラス・ヴェローナ戦。ヴェローナは残留に向けて絶対に勝ち点が欲しいが、ミランも3位を目指すために勝ちたい。

 

ユヴェントス

 

 コスティッチ、ディ・マリアキエーザケーン、誰を生かしたいのかわからなかった。調子を上げていたパレデスがアンカーで先発し、ロカテッリとラビオがIHの3-5-1-1で、フリーマンのディ・マリアが右に流れて基点を作ったり、ライン間で受けてから広いサイドに展開し、ラビオとロカテッリがPA内に飛び込んでクロスに合わせる形を予想していた。

 ガッティは失点に絡んだが、スペースがある状態でレオンに抜かれずに対応する能力や積極的に攻撃に関わっていく姿勢に好感をもった。

 

主審 Maurizio Mariani VAR Massimiliano Irrati

 

 特になし。