7連戦のラストは降格が確定しているサンプドリアと対戦。公式戦3連敗、CL準決勝敗退の落胆と傷心から切り替えて残り3戦全勝必須。
エミリア・ロマーニャ州の豪雨による河川の氾濫で洪水が発生し、亡くなられた10人以上の方へ黙祷が試合前に行われた。
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— AC Milan (@acmilan) 2023年5月20日
サンプドリアは3勝9分23敗、21得点62失点で最下位。10月にスタンコヴィッチが就任したが結果が好転することはなく、財政難のため、補強は最小限のものに留められ、新たに監督を交代することもできず、34節で降格が決定した。現在8試合未勝利。
- アウェイゲーム2勝3分12敗、11得点36失点。
- 得点数最少。セットプレーから4点はリーグ最少。シュート決定率6%。前半のほうが得点が多く、30~45分に最多の5点。
- ガッビアディーニが6点、ジュリチッチが3点、ザノーリ、アウジェッロ、ランメルス、サビリが2点、1点が4人。
- アウジェッロが5アシスト、ガッビアディーニ、リンコン、ランメルスが2アシスト。
- シュート数最少。枠内シュート数19位。
- 枠内シュート数リーグ6位、枠外シュート数8位にガッビアディーニ。
- 枠に当てた回数10回で12位タイ。
- クロス成功数18位。CK数最少。
- オフサイド数13位。
- PK獲得回数2回、献上回数9回で2位タイ。
- 失点数最多。無失点試合は4回で最少タイ。セットプレーから12失点は19位。後半に失点が多く、75~90分に最多の19失点。
- セーブ数2位。
- リカバリー数17位。チームトップ2はアウジェッロとリンコン。
- インターセプト数8位。タックル成功数9位。クリア数9位。
- PPDA(プレス強度指数)10位。
- ファウル数4位(多)。リンコンが3位。イエローカード数最多。レリスが13枚でリーグ最多。
- 1試合平均走行距離リーグ18位。スプリント距離最短。23位にウインクス。
- ポゼッションタイム16位。パス成功数15位。成功率78%。ファイナルサードのパス数17位。ロングボール成功数14位。
- キーパス数19位。チームトップ2はジュリチッチとアウジェッロ。
- ドリブル数16位。被ファウル数6位にガッビアディーニ。
- セリエA過去10シーズンの対戦成績はミランの12勝5分4敗。ミランはピオーリ就任後から7試合無敗で3連勝中。サンプは4勝のうち3試合が1-0で何れも無失点。サン・シーロでは5勝3分2敗でミランが5シーズン無敗。
- ピオーリはサンプドリア戦通算8勝9分5敗。スタンコヴィッチはツルヴェナ・ズヴェズダ時代にELでピオーリミランと対戦し2分け。
インテル戦後の3日間
特になし。
先発&フォーメーション
ミランはベナセルとイブラに加えて、オリギが左内転筋の張り、レビッチが打撲、ヴランクスが恥骨炎で負傷欠場。デストとバスケスが招集外。カルル、ケアー、ポベガ、レビッチが累積リーチ。
サンプドリアはアウデーロ、クイザンス、サビリ、コンティ、プセット、イェペスが負傷欠場。
スタッツ&控え
ハイライト
流れ
サンプは4-4-2ミドルプレス。ミランはクルニッチがアンカー気味でテオが高い位置を取る。ウインクスはクルニッチを覗きに行き、リンコンはトナーリにマンツーマン気味でスペースがあるライン間をブラヒムが広く動いてギュンターにマークを付かせない。
ミランの被保持は4-1-2-3ハイプレス。ジルーがCBの間からサイドに追い出し、ブラヒムがウインクス、トナーリがリンコンにマンツーマン気味でクルニッチがフリーマンで縦パスの妨害、マーキングのズレ、スペースの穴を埋める。サンプはSBから2トップや内側に入るSHに縦パスを入れる。
8分、ラヴァーリアのロングボールをチャウが跳ね返し、ブラヒムがこぼれ球を拾ってウインクスをかわし、ギュンターの裏に走り込んだレオンにフライスルーパス。レオンが流し込んでミランが先制。1-0
19分、サンプがロングボールのセカンドボールを回収しミドルゾーンで保持。大外のザノーリとトモリを背負って受けた内側のレリスがパス交換し、ザノーリがテオと戻ってきたブラヒムを縦に突破し、深い位置まで抉ってマイナスの折り返しをゴール前のチャウから離れたクアリアレッラが右足で合わせてサンプが同点にする。1-1
22分、レオンが左サイドを突破してインスイングのクロスをファーに上げるが、メシアスの前でアウジェッロがクリアしミランの右CK。トナーリのアウトスイングのボールに中央でチャウが頭で合わせるがラヴァーリアがファインセーブしミランの左CK。ショートコーナーを受けたブラヒムがインスイングのクロスを上げると、ジルーが頭で合わせてミランが勝ち越し。2-1
26分、アウジェッロからの縦パスをクアリアレッラからトモリが右サイドで奪う。サイドラインのメシアスに繋ぎ、降りてきたジルーがメシアスからのパスを上がってきたトナーリに落とし、トナーリからギュンターとザノーリの間のスペースに走り込んだレオンにパス。レオンがPA内で切り返すと、ギュンターが足を引っ掛けて倒しPK。
28分、ジルーが左にPKを決める。3-1
32分、ミランがクルニッチの縦パスから押し込み、右に開いたトナーリのクロスをナイティンクとギュンターの間でジルーが頭で合わせるがラヴァーリアがファインセーブ。
41分、レオンが左サイド低い位置に降り、ブラヒムが開く。レオンが持ち、テオが外から内側に入りザノーリを動かすと、ブラヒムがレリスの背後を取ってサイドのスペースでスルーパスを受けてゴール前のメシアス折り返すがアウジェッロがクリア。
45分、3-1で前半終了。
後半からサンプはレリスがサイドに張り、テオの裏を取るようになる。
50分、アウジェッロがテオのクリアボールを拾い、クアリアレッラが降りて受ける。フリーで前を向いたクアリアレッラが逆サイドでテオの背後を狙ったレリスにロングパス。レリスがボレーで合わせるが枠の左に外れる。
60分、クルニッチからボランチ間のブラヒムに縦パス。ブラヒムからナイティンクとアウジェッロの間に走り込んだサレマへのパスはブロックされ、カラブリアのクロスにジルーがギュンターの背後で頭で合わせるがラヴァーリアが正面でキャッチ。
リンコンがすぐに右サイドに開いたレリスに展開して全体を押し上げる。ガッビアディーニが右サイドから中央のクアリアレッラに入れ、落としを中に入ってワンタッチでミドルシュートを撃つがメニャンが正面でキャッチ。
62分、カラブリアからジルーへ縦パス。サレマが中に入って落としを受け、左ハーフスペースのレオンにパス。レオンは右ハーフスペースを駆け上がるトナーリにパス。トナーリの折り返しをブラヒムが押し込んで4点目を奪う。4-1
67分、ブラヒムが右サイドから中央に運び、左サイドのレオンにパス。レオンのインスイングクロスをジルーがナイティンクと掴み合いながら左足アウトでコントロールしボレーで押し込んでトリプレッタ達成。5-1
69分、サンプドリアはオイコノムーが3バックの中央に入って3-4-2-1、5-4-1に変更。
78分、サレマがデ・ケテラーレとのワンツーでカットインし左足を振り抜くがオイコノムーがブロックし枠の右に外れる。
81分、ケアーとポベガがそのまま同ポジションに入る。サンプドリアはイルカンがクルニッチ、パオレッティがポベガにマンツーマンでプレス。
84分、ルーズボールをサレマが敵陣中央で拾い、レオンの折り返しをデ・ケテラーレがPA内で受けるが判断遅くボールを奪われる。
90分、ATなし。5-1で試合終了。
ミラン
降格が決まってモチベーションの低い相手を一蹴し、4位との差は2に縮まり残り2試合。
単純にサンプドリアの寄せも甘いのでボールホルダーに余裕があり、スペースが見えやすくて動きやすかったと思う。クルニッチやカラブリアが簡単に前が空いている状態で受けられて、中央のジルーやブラヒムへのパスコースやスペースが空いている事が多く、レオンにダブルチームで対抗するなどのミラン対策もなかった。3連敗した試合はスペースがなく、出す方も受ける方も窮屈だったぶん、今節は非常に簡単な試合だった。特に4点目はミランらしからぬワンタッチのパスワークによる美しい崩しだった。
プレスはしっかりとコースを限定して出し手と受け手を絞り、縦パスを潰しに行くことができていたが、相手のミスの多さやギャップを狙うような動きの少なさに助けられた部分も少なからずあったと思う。1失点は余計だった。ザノーリはあのような突破を得意としているのに、テオはブラヒムと2人で挟みかけたのに縦に突破させてしまった。トモリはレリスをクルニッチに任せたが、カットインへの警戒をしていたためにドリブルのカバー、クロスのブロックに間に合わず、ザノーリとレリスの2人にクルニッチ、トモリ、ブラヒム、テオが置き去りにされてしまった。クルニッチかトモリのどちらかがPAをカバーしていれば、クアリアレッラが受けるスペースを消してシュートを防ぐことができたはず。
ジルー先輩、加入後初のトリプレッタ、今季欧州5大リーグ最年長2桁得点達成おめでとうございます。
デ・ケテラーレは78分みたいなシンプルなポストワークを繰り返してほしいし、84分のような場面でどっちつかずで終わるのはもう見飽きた。
次は日曜日にアウェイでユヴェントス戦。ユヴェントスは今節の結果次第で順位表上では4位以内が確定するが、不正会計の裁定が確定するのはシーズン終了後だと思われるので、互いに勝利がほしいことに変わりない。
サンプドリア
あまりにも弱かった。
40歳のクアリアレッラは降格が決まるまではあまり起用されておらず、ロングボールを競ることができるランメルスの方が重用されていたが、最近の試合を観ると改めてボールを受ける巧さとシュートセンスに感心させられる。スタンコヴィッチがカプートやクアリアレッラのようなタイプを生かす気がなく、残留に向けた解りやすい最善策だったとはいえ、就任直後から長身CFを重用する戦いをスカッド的に向いていないのに続けたのは残留と降格の分かれ道だったかもしれない。
ラヴァーリアはアウデーロの負傷離脱後のゴールマウスをよく守っている。
ディ・ロレンツォが鉄人すぎてベレシンスキは戦力にならなかったが、ザノーリに経験を積ませることができたナポリ。
主審 Francesco Fourneau VAR Antonio Di Martino
特になし。