自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

23-24セリエA第9節 vs ユヴェントス(H) 睡眠導入試合

 

 ダービーの大敗から立て直し、以降の公式戦は1失点のみで6試合負けなし、カンピオナートは4連勝を飾り単独首位に浮上した。今節はメニャンの出場停止にスポルティエッロの負傷が重なった影響で40歳のミランテが加入3季目でカンピオナート初先発を飾る。

 

 今季は欧州コンペティションに出場できず、カンピオナートに専念するユヴェントスはマニャネッリをコーチに招聘してボール保持の強化に取り組んでいる。ここまでは5勝2分1敗、14得点6失点、ミランとは4ポイント差の3位。5節にサッスオーロに4失点を喫した以降の3試合は無失点。その間の3得点はいずれもCKとその流れから。ダニーロ、カンビアーゾ、キエーザを中心とした左サイドの流動的な攻撃はそこそこの機能性を見せているが、基本は堅守からの速攻やセットプレーに変わりない。

 

incursore.hatenablog.com

 

ジェノア戦後の2週間

 

 Fanblockとパートナーシップを締結。

 

 ケアーがデンマーク代表で130試合出場。

 

 Corpayと公式外国為替パートナーシップを締結。

 

 レオンが9月の月間MVPを受賞。

 

先発&フォーメーション

 ミランはメニャン、テオが出場停止。ベナセル、ロフタス=チーク、チュクウェゼ、スポルティエッロ、バルテザーギ、カルダーラが負傷欠場。ナヴァ、バルトッチョーニ、ヒメネスがベンチ入り。

 ユヴェントスダニーロ、アレックス・サンドロ、デ・シリオが負傷欠場。ファジョーリが違法賭博、ポグバがドーピング違反容疑で出場停止。

 

スタッツ&控え 

MILAN VS JUVENTUS

 

ハイライト


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流れ

 

 ユヴェントスはハイプレスではウェアが中盤ラインに残る4-4-2で、アドリにはロカテッリが出て、ミランテにはあまりプレスに行かない。ミランはアドリが低めでCBが開く。右からのビルドアップが多く、カラブリアが内側に入れば、ムサがサイドに開く。ミドルゾーンより後方ではユヴェントスは5-3-2。降りるラインデルスにガッティが付いていく。ミランは敵陣では2-3-5でIBを釣り出したり、ファーへのクロスを狙う。

 ユヴェントスのビルドアップはミリクがセカンドトップ気味でファジイな位置を取る。ミランはラインデルスがロカテッリ、アドリがマッケニー、ムサがラビオをマーク。プリシッチはルガーニよりもコスティッチへの意識が高く、ルガーニとブレーメルにジルーが対応する場面も。

 

 5分、ユヴェントスのビルドアップ。低い位置に降りたウェアがフリーで持ち上がる。マッケニーが右に開いてフロレンツィをピン留めし、アドリがウェアに出ていく。マッケニーがパスを受け、フロレンツィをかわし、トモリを引き出してミリクにパスを出すが、ムサが戻って奪う。

 13分、ユヴェントスが敵陣で保持。右サイドからロカテッリがPA内のケーンにロブパスを入れるがフロレンツィがカット。レオンがこぼれ球を拾い、ガッティをかわして運んでカウンター。レオンからクロスを受けたジルーが左足ボレーで撃つがシュチェスニーがファインセーブ。

 23分、ミランのビルドアップ。内側低い位置のフロレンツィにマッケニーが寄せ、ラインデルスが外に開いて受ける。ロカテッリが寄せるとワンタッチで中央のスペースに入ってきたフリーのアドリにパス。アドリが持ち上がるがレオンへのパスをミス。

 33分、ユヴェントスが右サイドのスローインから左へ展開。ラビオがカラブリアの背後に飛び出して折り返すが中に合わない。

 34分、ミランのビルドアップ。トモリから受けたフロレンツィ。マッケニーが寄せ、ラインデルスにガッティが出てくる。フロレンツィがワンタッチでウェアの背後を取ったレオンにパス。レオンの折り返しはブレーメルがブロック。

 39分、ユヴェントスのビルドアップ。ガッティ、マッケニーから受けたウェアがフロレンツィをかわして前線のケーンにパス。ケーンがボールをスルーしてチャウと入れ替わったところを倒されてファウル。DOGSOでチャウが一発退場。

 42分、ミランはカルルを投入し、保持4-3-2、被保持4-2-1-2。プレスには行かず、ラインデルスはロカテッリを見つつ、バイタルエリアのスペースを埋める方を優先。

 ユヴェントスは前への姿勢が強まり、DFの攻撃参加や大胆なレーン移動が増える。

 44分、ラビオが左サイドのスペースに抜け出し、右足でインスイングクロスを上げ、ケーンがトモリとフロレンツィの間に飛び込むがミートできずに枠を外す。

 45+3分、0-0で前半終了。

 

 62分、ロカテッリのミドルシュートがクルニッチに当たってコースが変わりネットを揺らす。0-1

 ミランはプレスラインを上げる。ユヴェントスはペースダウン。

 78分、ミランはカルルがRSB、トップ下にそのままロメロを投入する。

 85分、ミレッティがヨヴィッチから高い位置で奪い返し、ヴラホヴィッチのミドルシュートを撃つがミランテが弾き出す。

 90+1分、ムサが倒れて2人少ない状況。右サイド深い位置のマッケニーからマイナスの折り返しを中央で受けたカンビアーゾがミドルシュートミランテが弾き、こぼれ球にヴラホヴィッチが詰めるがミランテがセーブ。

 90+5分、緩いチームに対してテクニカルエリアを飛び出してキレ散らかし続けていたアッレグリイエローカード

 90+6分、0-1で試合終了。

 

ミラン

 

 またしても5-3-2ブロックを組む相手に有効で再現性の高い形を見いだせず、テオの不在も影響して厚みのある攻撃は両サイドともに全くできなかった。

 WGでWBを押し込んでIHとIBを前に釣りだそうとしていたと思う。私が直近3試合を見た時の印象だとユヴェントスはDFラインから極端に前に出すぐらいなら持たれても構わないという姿勢だったが、サイドには出ていき、中央にズレが生じて、逆サイドのWBの絞りが甘くなってクロスからピンチになる場面があったので、WGは高い位置を取らずにWBぐらいの位置に留まり、WBの背後を使ってIBをサイドに引っ張り出したかった。一案として考えたのは、カラブリアが残って、ムサが右に開く3-4-3で、2トップに対して3バックで数的優位を作り、カラブリアにラビオが出てきたらアドリが右に開いて受け、ムサが内側に動き、コスティッチがムサに付いていけばプリシッチへのパスコースが開き、アドリにコスティッチが出てくればムサ、ロカテッリが出てくれば一気にジルーへの縦パスやレオンが中央のライン間に移動して受けても良いという形。低い位置から加速してスピードの上がった中でゴールに向かう形になるが、前線でミスしてカウンターを受けても3-2は残っている計算なのでゴールを守る守備はできそう。

 退場後から先制されるまではユヴェントスのプレスが強くなったが、保持できないわけではなかったので、ジルーよりも個人での打開力があるプリシッチを残したほうが良かったかもしれない。それにしても、オカフォーが起用できるコンディションではなかったのは不運だった。これまで退場は少なくないが、ピオーリは効果的な策を当てることができていない印象。

 

 プレスはWBでSBを引き出されるお馴染みの展開。右サイドはカラブリアの背後にラビオの飛び出し、左サイドはウェアとマッケニーがドリブルでフロレンツィをかわされて崩されかけた。ミランの保持の時間のほうが多く、ユヴェントスのビルドアップに安定感がないので判断ミスしてくれるのにも助けられていたなかで、ほぼインテル戦の1点目と同じような場面、何度もあったケーンとチャウのマッチアップのなかで最も負けてはいけない場面で負けて手を出してしまった。

 3-5-2に対して4-2-1-3でのマンツーマンはそろそろマイナーチェンジを考えなければいけない。前線のプレスは強度が低く、SBが距離の遠いWBに釣り出され、マンツーマン故に中盤を動かされてフィルターがなくなることでCFにボールが入りやすくなり、CBが広いスペースで入れ替わられたら終わりの1vs1をしなければいけないのはもう終わりにしよう。

 退場後の4-2-1-2はトップ下のラインデルスのバランス感覚とジルーの献身性でそれなりに守ることができていたが、失点場面は右から左ハーフスペースに移動したウェアに狂わされ、ロカテッリが右ハーフスペースで空いた。とはいえ、ゴールからは遠く、クルニッチが触らなければ無問題だったはずなのでアンラッキーだった。10人でも守れそうだった試合の流れを考えると、0-0の時間を伸ばしてユヴェントスの攻め疲れや焦れて前傾しすぎたところをカウンターで刺したかっただけに、失点の時間は早すぎた。

 

 ミランテはプレスを受けても落ち着いていたし、素晴らしい連続セーブも見せて文句なしのパフォーマンスだった。

 

 次は中2日でアウェイPSG戦。ザイール=エメリ、ハキミ、コロ・ムアニ、デンベレに、エムバペと個人で剥がせて運べる相手にどう立ち向かうのか。

 

ユヴェントス

 

 ほぼインテルのコピー。

 アッレグリの脱衣キレ芸に笑わせてもらった。

 

主審 Maurizio Mariani VAR Massimiliano Irrati

 

 退場後にカードが増えた。