20-21セリエA第4節 vs インテル(A)
公式戦19試合無敗、開幕から無失点で3連勝、最高の状態で迎えるミラノダービー。ダービーは4連敗中。ピオーリは率いてきたクラブのダービーで勝てていないらしい。
一方、インテルは開幕3試合で10得点6失点の超攻撃的撃ち合い上等スタイルで絶好調のミランを飲み込みにかかる。コンテはダービーにめっぽう強いらしい。
お互いに過去5年では最強の状態。楽しみでしかない。
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先発&フォーメーション
ミランはレビッチ、ムサッキオが負傷欠場。ガッビア、ドゥアルテがCovid-19陽性。ロマニョーリ、イブラ、コンティが復帰。
インテルはセンシが出場停止。ヴェシーノが負傷欠場。バストーニ、シュクリニアル、ガリアルディーニ、ナインゴラン、アシュリー・ヤング、ラドゥがCovid-19陽性。
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スタッツ&控えメンバー
Fixtures and Results | Season 2020-21 | 4ª Match Day | Lega Serie A
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ハイライト
Inter 1-2 Milan | Zlatan Double Seals Derby! | Serie A TIM
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流れ
イブラvsデ・フライ、レオンvsダンブロージオ、サレマvsコラロフ、チャルハノールvsブロゾビッチ、ケシエvsヴィダル、べナセルvsバレッラ、テオvsハキミ、カラブリアvsペリシッチ、ケアーvsラウタロ、ロマニョーリvsルカク。マッチアップが明確。お互いに中盤での不用意なボールロストを避けるように、逆に奪って速攻で仕留められるように、慎重だが積極的な駆け引きを仕掛け合う。
1分、コラロフからハキミへサイドチェンジ。ハキミがテオとの1vs1を制しクロスを入れるがドンナルンマがブロックしべナセルがクリア。
3分、コラロフがフリーで持ち上がりルカクへ斜めのパス。ルカクがテオに対するファウルを取られる。
10分、自陣ゴール前でべナセルがラウタロからバレッラへのパスをカット。すぐにサレマとチャルハノールが前方へ走り出す。べナセルはカラブリアへ横パス。カラブリアが運んでチャルハノールへ縦パス。チャルハノールがゴール前のスペースにイブラを走らせる。PA内でイブラがコラロフに蹴られてPK獲得。イブラのシュートはハンダノヴィッチに弾かれるがこぼれ球を自ら押し込んでミランが先制。
15分、右サイドのバレッラからラウタロへのアーリークロスをケアーがクリア。クリアボールを拾ったペリシッチがカラブリアと1vs1。2度仕掛けるがカラブリアが奪いきりサレマへ縦パス。サレマが絶妙なターンでブロゾビッチを振り切り中央のチャルハノールへ。チャルハノールはワンタッチで左サイドのレオンへ展開。レオンがダンブロージオを縦に抜き去りファーサイドへ絶妙なクロスをあげると、イブラがフリーで簡単に流し込みドッピエッタ。
18分、カラブリアから相手MFラインの背後に入り込んだチャルハノールへミドルパス。チャルハノールが収めてすぐに右のイブラへ。イブラからレオンへのクロスは流れてしまう。
28分、ルカクが右に流れてキープ。落としを受けたハキミがコラロフへ展開。フリーのコラロフが持ち運び、カラブリアに対しペリシッチと数的優位を作る。ペリシッチのクロスはドンナルンマが触りコースが変わりちょうどルカクのもとへ。ルカクが逃さず流し込み1-2。
31分、敵陣中央でバレッラがべナセルをかわしラウタロへ。ラウタロ、ルカクとワンタッチで繋ぎ、バレッラがシュートもドンナルンマ正面。
32分、カラブリアから受けたチャルハノールがブロゾビッチを外しサレマへ。サレマから中央に入り込んできたレオンへのスルーパスは長くなってしまう。
33分、ハンダノヴィッチからラウタロへ。ラウタロがターンでケアーをかわしルカクへ。ルカクがハキミに落とし、リターンを受けようとするが繋がらず。ただ、すぐにヴィダルが拾ってルカクへ。ルカクの右足クロスは中と合わず。
44分、右サイドでボールの奪い合いが続くと、カラブリアからイブラへ。イブラが収めてサレマへ横パス。サレマはチャルハノールへ縦パス。チャルハノールがブロゾビッチをかわし運んでクロスを入れるが、ケシエに合わず、テオもシュートを撃てず。
46分、インテルのCK。デ・フライに付いていたロマニョーリとルカクに付いていたケアーがぶつかったことでフリーになったルカクがフリーでヘディングシュートも僅かに右に外れる。
前半は1-2でミランがリードして終了。
47分、コラロフからハキミへサイドチェンジ。ハキミがテオとの1vs1を制しPA侵入してラストパスを送るがルカクにもラウタロにも合わない。
55分、自陣PA内でケシエがハキミからヴィダルへのパスをカットし持ち運びレオンへ。レオンがカットインから右足を振り抜くが左に外れる。
58分、中央のコラロフからハキミへ。ハキミのクロスは流れて逆サイドのペリシッチへ。ペリシッチはカットインを狙うがカラブリアが立ち塞がりヴィダルへパス。ヴィダルは右で動き出したハキミへ完璧なラストパス。しかし、ハキミのヘディングシュートは僅かに左に外れる。
60分、レオンのパスミスをハキミが拾って、ヴィダルから右に開いたルカクへ。ルカクは中央のラウタロへ。ラウタロの落としを受けたバレッラのシュートはケアーが頭でブロック。
71分、バレッラがコラロフへのバックパスをミス。サムカスが拾いクルニッチへ。クルニッチのシュートは枠を捉えられない。
72分、コラロフからラウタロへ縦パス。ラウタロはワンタッチで中央のヴィダルへ落とす。ヴィダルもワンタッチでライン間のエリクセンへ。エリクセンからルカクへのラストパスはロマニョーリに当たるがケアーに当たってルカクに渡る。ドンナルンマが飛び出すとルカクの足にドンナルンマの身体が接触しPK判定。しかし、エリクセンがパスを出した時点でルカクがオフサイドポジションにいたことで取り消し。
84分、サンチェスのパスミスをサムカスが拾いイブラへ。イブラはシュートまで持ち込めずエリクセンに奪われてしまう。エリクセンからパスを受けたバレッラからラウタロへ縦パス。ラウタロはケアーをターンでかわすがケアーも粘り強く対応しこぼれ球が生まれる。これに真っ先に反応したバレッラが掻っ攫いルカクへラストパスを送るが長すぎてドンナルンマがキャッチ。
92分、中央のコラロフからルカクへ縦パス。ルカクはラウタロに預けてゴール前へ走り出す。ラウタロもそのルカクへリターン。ルカクのシュートは枠の左に外れる。
後半はインテルが決定機を逃し続け1-2のまま終了。ミランが2016年以来のダービー勝利で、公式戦20試合無敗、95-96シーズン以来の開幕4連勝、11-12シーズン以来の単独首位。
What colours is Milan?
— AC Milan (@acmilan) 2020年10月17日
Milano è... #InterMilan #SempreMilan pic.twitter.com/sfzkeRh4Fo
2⃣0⃣ games unbeaten 💪🔴⚫
— AC Milan (@acmilan) 2020年10月19日
Keep it up, lads! 👊
Imbattuti da 2⃣0⃣ partite 💪🔴⚫
Forza ragazzi! 👊#SempreMilan pic.twitter.com/vn4t0T2Ay5
ポジティブトランジションの精度が保てていた60分までは結果と内容が一致していたが、チャルハノールをLWGにしてからはカウンターでゴールに迫る機会が減り、足も止まりほぼ防戦一方になってしまったが運良く逃げ切った。
イブラと敵の位置に応じたチャルハノールとサレマのアクションの早さと質はこのチームの強みの1つ。この日もカウンターで好機を量産した。チャルハノールはブロゾビッチを手玉に取るようにいなし続けた。何度もそのカウンターの起点になっていたのが覚醒中のカラブリア。今や無敵の対人守備でボールを奪い、前方の味方へ正確なパスをつけていた。
ハイプレスに行くと敵2トップの優位性が顕著だったため横幅狭めのミドルプレス。サレマに対してブロゾビッチがコラロフをフリーにするような立ち位置を取ってくるのが厄介で、コラロフから幾度も展開を許してしまった。
60分にレオンとサレマをクルニッチとサムカスに替えて、チャルハノールをLWGにしたが、インテルにとってカウンターの脅威が減ってしまった。レビッチがいればカウンターの怖さを出しつつエンジンを積み替えられた。
終盤に疲れていたイブラやチャルハノールを下げて、ブラヒムやハウゲを投入するのはプレッシャーのかかる試合ではまだ怖かったのでピオーリの判断を尊重。本当ならケシエも下げるつもりはなかっただろうし。
カラブリア、ケアー、ケシエ、チャルハノール。今季のチームを牽引している選手たちがこの日も勝利に貢献。ケアーはラウタロに苦戦したが要所を抑えて、怪我明けのロマニョーリを支えた。ケシエはハキミもヴィダルもルカクも弾き飛ばす最強っぷり。
レビッチが間に合わず、先発に抜擢されたレオンも期待に応えるアシスト。対面のダンブロージオの攻撃参加があまりなかったのもあり、戻らなければいけない場面が少なかったのは助かった。
そして、なんと言ってもイブラ。2得点はもちろん、押し込まれてもイブラに蹴れば収めて時間を稼げるのが大きかった。神だった。
Milano never had a king, they have a GOD pic.twitter.com/LmQxt0XnwG
— Zlatan Ibrahimović (@Ibra_official) 2020年10月18日
この試合から11月のインターナショナルマッチウィークまで7連戦。ほとんどチーム練習できていないハウゲとダロトを慣らしつつの総力戦になりそうだ。
プレッシングもネガトラもほぼマンツーマン。昨季終盤あたりからかなりマンツーマン色が強くなっている気がする。その中でブロゾビッチが潰しきれない場面が頻発。それを見るとアタランタでマンツーマンに慣れているガリアルディーニがポジションを掴んでいること、潰しも散らしも攻撃参加もハイレベルに行えるヴィダルが軸になっていることが理解できる。
コラロフが悪目立ちしたが、攻撃面での貢献度は抜群。純粋なCBのシュクリニアルやゴディンにはできない、コンテが求める仕事をしたと思う。守備が上手ではないことも承知で起用しているはずだし。ただ、バストーニ不在は痛かった。
ルカク、ラウタロ、バレッラ、ハキミは脅威だった。シュートミスしてくれてありがとう。
ラウタロは背負って受けてから前に行けるパワーが素晴らしい。バレッラはどんな選手になっていくのか想像がつかない。攻守に動き続けることができて、球際激しくボールを奪えて、高い技術でチャンスメイクもできる、素晴らしい選手。アッズーリを任せた←何様?
エリクセンは出場停止だったセンシよりも序列が低い気がする。次はいないかも。
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主審 Maurizio Mariani
VARはイラーティ。
球際が激しく切り替えも早い試合だったので裁くのは難しかったと思う。ただ、もう少し一貫性のある判定を下せていれば。ローマダービーだったら確実に乱闘になってた(笑)
ケシエがハキミを踏んでしまったのはレッドカードレビューになってもおかしくなかった。あれで退場になるのをみたことあるし、結局はレフェリー次第ってことか。