IMW明けから始まる今季3度目の7連戦。
スペツィアでアグレッシブなサッカーを体現していたイタリアーノを招聘した今季のフィオレンティーナはここまで6勝0分6敗の7位。今季唯一引き分けがないチーム。前半戦の上位との対戦はミラン以外は済んでおりここからの浮上が期待される。最近5試合は負、勝、負、勝、負でホームの3-0勝利かアウェイの0-1敗北という極端な成績。
- 今季ホームゲーム3勝2敗、10得点6失点。
- 16得点はリーグ12位タイ。PKが5つ。開始15分以内は無得点でラスト15分は1得点と序盤と終盤は静か。その他の時間帯でまんべんなく取っている。ヴラホヴィッチがリーグ3位の8得点(PK4、FK1)。続くのは2得点のニコラス・ゴンザレスで1点のみが6人。
- 14失点はリーグ5位。前半3失点に対して後半は11失点。後半の立ち上がりが4失点、最後の15分が5失点。
- シュート数12位。ヴラホヴィッチがリーグ4位。
- クロス成功数2位。
- CK数6位タイ。
- オフサイド数18位。
- クリア数最少。
- セーブ数18位。
- イエローカード数6位。レッドカード数最多タイ。
- 1試合平均走行距離8位。ヴラホヴィッチがチームトップの走行距離と出場時間。
- ポゼッションタイム5位。自陣3位。敵陣9位。
- サポナーラが2アシストでチームトップ。
- キーパスはビラーギがリーグ4位タイ。ボナベントゥーラが21位タイ。
- ミレンコヴィッチがリカバリー数リーグ6位。
- 被ファウル数リーグ1位がヴラホヴィッチ。4位タイにニコラス・ゴンザレス、10位タイにボナベントゥーラ。
- 直近10試合の対戦はミランの5勝3分2敗。ミランはアルテミオ・フランキで2015年を最後に無敗。
インテル戦後の2週間
これといったものはなし。
先発&フォーメーション
ミランはカラブリアがアッズーリでふくらはぎを負傷、レビッチが練習中に屈筋を負傷、トモリが股関節の違和感で欠場。ロマニョーリ、バロ=トゥーレ、メシアスが復帰。メニャン、サムカス、プリッツァーリが欠場。コンティが招集外。
フィオレンティーナはミレンコヴィッチとルーカス・マルティネス・クアルタが出場停止。プルガル、ナスタシッチ、ココリンが欠場。
スタッツ&控え
Match Report | 2021-22 | 13ª Match Day | Lega Serie A
ハイライト
流れ
フィオレンティーナはボナベントゥーラを前に出して縦にコンパクトな4-4-2で前線からプレスをかける。WGはCBにプレスをかけるよりもSBについていき、ダンカンが2トップにプラス1でプレス。対してミランはトナーリかケシエがCB間に降り、SBを押し上げ3-1-5-1の形でライン間に人を多く配置しつつ高いラインの背後を狙っていく。
ミランのハイプレスに対して、フィオレンティーナはCBとGKとトレイラの菱形で繋ぎ、ダンカンかボナベントゥーラのサポートやヴラホヴィッチのポストプレー、テラッチャーノからSBへのロブパスでプレスをいなしていく。ミランはイブラの位置によってブラヒムがトレイラ、レオンがヴェヌーティをマークする場合とブラヒムがイゴール、トレイラをボランチがマークする場合がある。
4分、フィオレンティーナはミランのプレスを外しイゴールがライン間のボナベントゥーラへパスを出すがテオがインターセプト。中央のテオからサレマ、ブラヒムとショートパスを繋ぎイブラへスルーパス。イブラがゴールネットを揺らすがオフサイド。
13分、フィオレンティーナが3本連続のCK。右からトレイラのアウトスイングのボールをタタルシャヌがファンブル。ガッビアはタタルシャヌにリカバーしてもらおうと身体を入れたがダンカンがゴールに蹴り込みフィオレンティーナが先制。
16分、イゴールがカジェホンへパス。落としを受けたフリーのオドリオソラが内側に運びイゴールにパス。イゴールは左に張ったサポナーラへ展開。サポナーラは右に張ったカジェホンへ大きなサイドチェンジ。カジェホンのクロスにヴラホヴィッチが頭で合わせるが枠の上に外れる。
19分、フリーのケアーから背後を狙ったブラヒムへフライスルーパス。ブラヒムは身体もボールも上手くコントロールできず。流れたボールをキャッチしたテラッチャーノからカジェホンへ。カジェホンからトレイラへのパスがズレたところをトナーリがインターセプトしそのままミドルシュートを撃つがテラッチャーノがセーブ。
20分、センターサークル横でテオからパスを受けたレオンがトレイラとヴェヌーティをかわしてミドルシュートを撃つがテラッチャーノがセーブ。
28分、ケシエからライン間のレオンへ縦パス。ブラヒム、イブラ、レオンとテンポ良くショートパスを繋ぎゴール前まで運ぶがレオンはシュートを撃ちきれず。
29分、中央でヴラホヴィッチをガッビアとケシエで挟みボール奪取。ガッビアがレオンに繋ぐと、レオンが運んでタイミングを外したシュートを撃つがテラッチャーノがセーブ。
33分、ミランが押し込みケシエからPA内のイブラへロングパス。ブラヒムに落としてリターンを受けたイブラが反転ボレーシュートを撃つがテラッチャーノの正面。ケシエのパスの時点でオフサイド。
34分、自陣中央のケアーから裏に抜け出したレオンへロングパス。オドリオソラを腕で抑えシュートを撃つがイゴールがブロック。
36分、カルルがサポナーラからボールを奪いブラヒムがイブラへ縦パスを送るが、イゴールとトレイラで挟んでフィオレンティーナがボールを奪い返し、トレイラは右サイドに展開。オドリオソラからトレイラに戻ってくると中央のボナベントゥーラへ縦パス。サポナーラに繋ぎ、リターンをボナベントゥーラが左に開いたダンカンへ。ダンカンを追い越してパスを受けたビラーギの折り返しをケシエが中途半端なクリア。こぼれ球を拾ったボナベントゥーラが左足でシュートを撃つが枠の右に外れる。
40分、レオンのクロスがイゴールにクリアされ、ダンカンがヴラホヴィッチに繋ごうとするがケアーが収めさせないでマイボールにする。そのままフリーのケアーが右サイドからアーリークロスを入れるとフリーのイブラが頭で合わせるが枠の右に外れる。
45分、フィオレンティーナのゴールキック。中央のボナベントゥーラへのロングボールを競り勝ち、ヴラホヴィッチ、カジェホン、オドリオソラ、右に流れたサポナーラへと繋がる。サポナーラは切り替えして中へ運び左のビラーギへ。ビラーギが低いアーリークロスを入れるがトナーリに引っかかる。しかしヴラホヴィッチがこぼれ球を拾いサポナーラに落とすと、サポナーラがゴール右隅に見事なコントロールシュートを決めてフィオレンティーナに追加点。
2-0で前半終了。
49分、ケシエ、サレマ、トナーリとセンターサークルで繋ぎ左のテオへ展開。中央のトナーリに戻し、トナーリがライン間のブラヒムに縦パス。落としをサレマ、ケシエ、カルルと繋ぎ、カルルが左足でインサイドのクロスを入れると、大外でレオンが折り返しイブラがシュートを撃つが枠の左に外れる。
52分、右サイド深い位置でカルルが粘ってスローインを獲得。すぐに受けたサレマが中へ運びイブラとワンツー。DFに阻まれるがすぐにプレスをかけてこぼれたボールをケシエがシュート。DFに当たったこぼれ球もケシエが拾いレオンへパス。レオンがワンタッチでコントロールシュートを撃つが僅かに枠の右上に外れる。
59分、ダンカン、サポナーラ、ビラーギ、ダンカンと左サイドでパス交換し、ダンカンからガッビアの背後を取ったヴラホヴィッチへスルーパス。上手くコントロールしタタルシャヌをかわしてネットを揺らしフィオレンティーナが3点目を奪う。
3失点後、ミランはビルドアップ時にテオを内側、レオンを外に配置するようになる。
61分、ミランがフィオレンティーナのビルドアップにプレスをかけるとボナベントゥーラからヴェヌーティへのパスをイブラがインターセプト。そのまま強烈なシュートを蹴り込みミランがまず1点を返す。
66分、左のレオンから内側からオドリオソラの背後を取ったテオにスルーパス。テオの折り返しをイブラが左足で合わせて1点差に迫る。
84分、テオが自陣PA前で無駄に持ちすぎたところをニコラス・ゴンザレスが奪い、ヴラホヴィッチがゴール左隅に流し込みフィオレンティーナが再び2点のリードを得る。
95分、ケアーからジルーへのロングボールをヴェヌーティが頭で弾き返す。セカンドボールをクルニッチがテオに繋ぎ、テオがファーのイブラへ緩いクロス。イブラのヘディングシュートは枠の角に当たるが戻ったヴェヌーティに当たってゴールに吸い込まれる。
4-3で試合終了。
ミラン
攻守でミスが相次ぎ、カンピオナート今季初黒星。ハイプレスはいなされる場面が多かったが、攻撃は前半から悪くなく何点も取れる場面があった。1点目や4点目のようなミスからの失点は試合を難しいものにしてしまう。
トナーリとケシエを中心にしたビルドアップは安定しており、ライン間やトレイラの脇、裏のスペースにしっかりとボールを送ることができていた。悪い失い方でカウンターを浴びることもなかった。
前線に入った後は中央でのコンビネーションやレオンのドリブルが生命線。前半に比べると後半のイブラ、ジルー、メシアスの連携はどうしても合わない場面が多く、足を攣ったレオンの交代で怖さも失われてしまった。ただ、イブラとジルーの2トップ自体は効果はあった。
ハイプレスで難しかったのはGKへプレスをかけても繋げられてしまうこと。テラッチャーノのCBへのワンタッチのパスやSBへのロブパスは見事だった。レオンがヴェヌーティにプレスをかけるとロブパスでテオのスライドが間に合わないオドリオソラに逃げられ、ブラヒムがイゴールにプレスをかけるとトナーリがトレイラとダンカンの2人を見なければいけない状況になってしまった。
2ヶ月ぶり今季2試合目の出場だったガッビアは失点の場面は兎も角、ビルドアップはもっとできるはず。3点目のような失点は経験して覚えるしかないか。
前節のダービーでヒーローになったタタルシャヌだが、昨季に続き今季もCKの対応でミス。上がった評価も元通りに。
レオンは裏抜けや怒涛のドリブル突破で脅威を与えたが得点を奪えなかった。ただ、ここまで本当によくやっている。
カルルはよく集中していて攻守に存在感を示していたので交代はもったいなかった。替わったフロレンツィがほとんどプレーに関与していなかったので余計にそう感じる。カラブリアのように内側でもプレーできるというわけではないので、サレマとのレーンチェンジは行えなかった。
ケアーはヴラホヴィッチにポストプレーを簡単にやらせず、ロングフィードやクロスでチャンスメイク。3失点目はダンカンを潰したかった。
イブラはほぼトリプレッタのドッピエッタだったが、3失点する前にも決定機があったので決めておいてほしかった。仕方ないとは思うが、ドッピエッタ後から4失点目までは動きが減ったようにも感じた。
次は水曜日に中3日でアトレティコ戦。勝ってもリヴァプールvsポルトの結果次第では敗退が決まるが、悔しい思いをしたサン・シーロでの雪辱をワンダ・メトロポリターノで果たしたい。
フィオレンティーナ
守備のやり方はスペツィア時代そのままだった。
セービングに長けたドロンゴフスキが怪我から復帰してもビルドアップに長けたテラッチャーノが起用される理由がよくわかるプレーぶりだった。
イゴールがイブラの裏に入ってパスを受ける場面が印象的。トレイラはマーカーとの距離の取り方が上手い。小柄な選手ならではの感覚かな。
サポナーラはスペツィアでイタリアーノに出会えて本当に良かった。
主審 Marco Guida VAR Davide Massa
落ち着いたレフェリングで良かった。グイダは一昨年までは好きじゃなかったが、昨季からは安定している印象。