自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

21-22CLGS第5節 vs アトレティコ・マドリー(A) 夢物語

 先週末はフィオレンティーナに敗れカンピオナートでは今季初黒星を喫し、公式戦3試合勝利がないミラン。CLでは4試合で勝ち点1しか得られずグループ最下位ながらも突破の可能性を残している。誤審のPKによる前回対戦の敗戦の借りを返すべくワンダ・メトロポリターノに乗り込む。

 

 アトレティコは勝ち点4でグループ3位。先週末はオサスナに終盤のセットプレーからの得点で辛勝。ミランと同じく中3日だがホームでの連戦。

 

フィオレンティーナ戦後の3日間

 SIROとオフィシャルホテルパートナーシップを締結。

 

先発&フォーメーション

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 ミランはメニャン、トモリ、カラブリア、レビッチ、プリッツァーリが負傷欠場。ペッレグリ、サムカス、コンティは登録外。

 アトレティコジョアン・フェリックス、トリッピアー、シャポニッチが負傷欠場。フェリペが出場停止。

 

スタッツ&控え

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ハイライト


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流れ

 アトレティコの守備は横にコンパクトな4-4-2でセット。サイドに誘導し圧縮して奪おうとする。ミランボランチのどちらかがDFラインに入り、SBが高い位置で幅を取る3-1-5-1でビルドアップ。ケアーやトナーリからテオへのロングフィードなどで左右に揺さぶり、ブラヒムとサレマが中央突破を見せる。

 ミランの守備はマンツーマンプレス。アトレティコスアレスグリーズマンが縦関係の3-1-5-1。カラスコの突破やグリーズマンのフリーラン、ルマルのレーン跨ぎでチャンスメイクを図る。

 2分、アトレティコの自陣からのFK。ヒメネススアレスにロングボールを送るとスアレスがケアーとカルルに競り勝ち、カラスコが拾う。カラスコの左足の折り返しに後ろから飛び込んだデ・パウルが右足で合わせるがタタルシャヌがセーブ。しかし、カラスコの時点でオフサイド

 18分、ミランがプレスをかけてエルモソからカラスコへのパスをカルルがカットしそのまま右サイド裏のブラヒムへパス。ブラヒムの折り返しはジルーに届かずサヴィッチがクリア。サヴィッチが高く蹴り上げたボールをルマルがコントロールミランがプレスをかけるがエルモソからフリーのコケに。コケが左サイドを駆け上がるカラスコへロングパス。ロマニョーリとカルルで挟んで対応するが粘ったカラスコがコケにバックパス。グリーズマンがフリーランでクルニッチを引きつけたスペースでコケから横パスを受けたフリーのデ・パウルミドルシュートを撃つが枠を捉えられない。

 33分、サレマがブラヒムと中央突破を図るが止められると、アトレティコスアレスに縦パスを入れる。しかし、ロマニョーリがトナーリと挟んですぐに起点を潰す。そこから右に展開しカルルがアーリークロスを入れるとファーに流れたボールをフリーのテオがボレーシュートを撃つが枠の左に外れる。

 0-0で前半終了。

 後半のアトレティコの保持はルマルがシャドーの3-2-5感が強い。被保持はカラスコがボールサイドの場合は下がって5バックになる。

 47分、アトレティコは左サイドでエルモソ、カラスコ、コケがパスを回しエルモソが右足でルマルへロブパス。ルマルがカラスコに落としたボールにカルルが飛び込むが取り切れず、コケからスアレスに縦パス。スアレスがワンタッチでカルルが空けたスペースに走り込んだルマルにスルーパス。ルマルはついてきたトナーリを切り返して右足でシュートを撃つがタタルシャヌがセーブ。

 49分、ミランは右から左へボールを動かす。ケシエからテオへのパスをジョレンテが狙うがテオが内側に持ち出して回避。しかし、直後のサレマへのパスをデ・パウルインターセプト。縦パスを受けたスアレスはテオが空けた右サイドのグリーズマンへ。グリーズマンロマニョーリをかわして右サイドを突破しゴール前に折り返すが、カラスコのシュートは枠の右に外れる。

 59分、ブラヒムが左サイドに降りてボールを受ける。テオがブラヒムから受けるとライン間ハーフスペースのクルニッチに預けてジョレンテの内側を走る。クルニッチからリターンを受けるがジョレンテPA横ギリギリで堪らずファウル。このFKをテオが中央に入れるとケアーが頭で合わせるが枠の上に外れる。

 65分、選手交代でアトレティコは保持時は両SBが上がる2-2-5-1感。ミランの2列目は右からメシアス、ブラヒム、サレマに変更。

 70分、左サイドでテオがスローイン。縦のイブラに入れたボールを奥のメシアスが触りこぼれ球をイブラが中央からカバーに来たヒメネスより先にマイボールにする。そして、そのヒメネスが空けたスペースに走り込んだメシアスにスルーパス。メシアスの折り返しをバカヨコが撃つがオブラクの前でサヴィッチがブロック。アトレティコはロディのクリアボールをデ・パウルジョレンテ、コレアで繋ぎカウンターを狙うが、コレアの持ち出しをテオが奪いそのままサレマにパス。サレマがジョレンテをかわしカバーに来たサヴィッチの裏に走ったテオへ股抜きパス。しかし、テオがコントロールできずボールはラインを割る。

 74分、アトレティコが押し込むがケシエがコレアからボールを奪い、ブラヒムがサレマに繋ぐ。サレマはデ・パウルをかわそうとするがジョレンテがプレスバックで奪い返しアトレティコが再攻撃。右に流れてきたカラスコがテオの裏に走ったグリーズマンへパス。グリーズマンが溜めてマイナスにクロスを入れると後ろからフリーで飛び込んだデ・パウルが右足でシュートを撃つがタタルシャヌの正面。

 77分、アトレティコはデ・パウルが下がり、ヴルサリコがRSBでジョレンテが中盤に。ミランはブラヒムに替わってべナセルがそのままトップ下に入る。

 79分、右サイドからのFKにバカヨコが頭で合わせるが枠を捉えられない。

 80分、アトレティコグリーズマンが下がりコンドグビアが中盤、ジョレンテが右サイドハーフ、コレアがトップ下。

 85分、テオが左サイドでコケをかわしケシエに横パス。ケシエはべナセルに縦パスを入れテオが落としを受ける。テオが中央のメシアスに繋ぎ、メシアスはヒメネスの背後を取ったイブラへラストパス。イブラが左足でシュートを撃つがオブラクがスーパーセーブ。しかしイブラがオフサイド

 86分、ミランの後方での繋ぎにコレアがハイプレス。タタルシャヌから受けたバカヨコがワンタッチでケアーに出したパスをカラスコが狙うがなんとか先にケアーが触り、バカヨコからメシアスに縦パス。メシアスは左のテオに展開し、テオはスライドするヴルサリコとサヴィッチの間に走るケシエにパス。ケシエが左に流れながら中を見て左足でクロスを上げると、ヒメネスとファーにいたイブラに引き寄せられたロディの間でメシアスがヘディングシュート。これが決まってミランが先制。

 89分、ミランは左サイドでボールを失い、ロディにまで展開されるがバカヨコがスライドして出ていきボール奪取。そのまま右サイドのスペースにメシアスが流れてボールを受ける。メシアスが下げたボールをバカヨコがワンタッチで内側のべナセルにパス。べナセルが反転してシュートを撃つがオブラクがセーブ。こぼれ球を狙ったイブラがオブラクに倒されるがイブラがオフサイドでPKにはならない。

 90分、右に来たカラスコがテオを引きつけて外側のジョレンテにパス。ジョレンテの折り返しにクーニャが左足で合わせるが枠の右に外してしまう。

 91分、煽るサレマ。

 0-1で試合終了。

 

ミラン

 序盤からボールと相手を動かし、ネガティブトランジションの強度も高くプレー。8年ぶりのCLでの勝利は奇しくも前回出場時の最後の地でのものになった。これにより、最終節でリヴァプールに勝ち、ポルトvsアトレティコが引き分ければ突破が決まり、アトレティコが勝った場合は得失点差や総得点の争いになる。ここまで来たら突破したいが、3位でELに回るなら4位でセリエAに集中したいという複雑な気持ち。3連敗からの突破は19-20シーズンのアタランタが史上初だった。

 アトレティコの前線のプレスが弱く、サイドにはスペースがあるので外側でボールを動かしながら、テオに対応に出てくるジョレンテとサヴィッチの間にクルニッチが走り込んだり、コケがチャンネルをカバーすればジルーへのパスコースが空きブラヒムやサレマがライン間で絡むことができた。サレマがサイドでSBを釣り出し、チャンネルにケシエが走った得点場面も立ち位置が変わっただけで基本的な狙いは変わらない。ただ、ミランのプレス回避から始まったのでPA内にアトレティコの選手が多くいたわけではなかったのが大きかった。

 アタッキングサードの崩しではブラヒムのパスとジルーの動きが合わない場面が散見された。

 CBのカウンターに対する準備やボール周辺の選手の切り替えのスピードなどネガトラも良かった。

 プレスはサレマとクルニッチが対面のCBを見つつスペースも埋める気の利いた守備でバランスを取った。全体的にデュエルでも優勢だった。90分のクーニャのシュートミスでケアーがロマニョーリに怒っていたのは、クロスを入れたジョレンテと同じラインまでロマニョーリも下がって平行のクロスを消せということで、それがクロス対応の原則だからケアーはクーニャについていかなかったのか。

 

 メシアスがCLデビューで移籍後初ゴール。しかも移籍後初シュート。入ってすぐはボールが足についていないように見えたが、多くのチャンスに絡んだ。シンデレラストーリーは終わらない。

 前回対戦は前半の退場で戦犯になったケシエがビルドアップと守備で存在感を示し、決勝点もアシスト。

 サレマは攻守にハードワーク。積極的にボールに絡みドリブルも冴えてイキりまくっていた。ブラヒムはCovid-19復帰後は少し苦労したがだいぶ状態が上がってきた。

 バカヨコは投入されてすぐにカードを貰った時は頭を抱えたが、その後は決定機、ヘディングシュート、ボール奪取など見所が多かった。得点前のビルドアップはヒヤッとした。

 フロレンツィは無回転ミドルシュート以外はフィオレンティーナ戦同様ほとんど絡んでいない。メシアスと合わないのか、立ち位置が悪いのか、単純に左サイドのテオやレオンにボールが集中してしまうのか。

 残念なのはジルーがハムストリングを痛めたこと。終盤はイブラが痛めた様子で心配だったが大丈夫そう。ペッレグリよ、次のヒーローになれ。

 

 次は中3日でホームサッスオーロ戦。コンディション不良でこの試合に出場しなかったレオンは問題なく出場できそうで、トモリと驚異的な回復を見せるメニャンがベンチ入りの可能性有り。

 

アトレティコ

 ポルトの方が寄せがタイトで厳しくやりづらかった。

 18分も74分もウディネのデ・パウルなら決めてそうだった。

 バイタルで違いを作るジョアン・フェリックスが欠場なのは助かった。

 ポルトアトレティコもこういう状況に強そうなので痛み分けで頼みます。

 

主審 Slavko Vincic VAR Pol Van Boekel

 スロベニアのセット。VARはオランダのセット。

 ファウルの基準にバラつきがあって両チームとも不満気。アクチュアルプレイングタイムはかなり短そう。