自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

21-22セリエA第15節 vs ジェノア(A) 取り戻した秩序

 カンピオナートの連敗を2で止めたい7連戦の4試合目。

 

 昨季は降格圏での途中就任から見事に余裕の残留に導いたバッラルディーニが、今季は12試合で1勝しかできずに解任。後任にはウクライナの英雄でありミランのレジェンドでもあるシェフチェンコウクライナ代表監督時代の右腕タソッティとともに就任。今季のジェノアはここまで1勝7分6敗の18位。中堅以下との試合も多かったなかで第3節以来勝利から遠ざかり、シェフチェンコが指揮した2試合は得点すら奪えていない。

  • 今季ホームゲーム0勝3分3敗、7得点11失点。最下位。
  • 17得点はリーグ14位タイ。セットプレーから3点、PKが5つ。前半は2点のみで、後半の最後15分に10点と集中している。デストロがリーグ9位タイの6得点。クリーシトがPKだけで5得点。
  • 26失点はリーグ15位タイ。後半の方が失点が多く、特に後半の終盤に8失点。
  • シュート数13位タイ。枠内シュートは17位。チームトップはデストロ、2位がクリーシト。
  • クロス成功数15位。失敗数17位(多)。
  • ヘディングゴール数2位。6点中、デストロが4点でリーグトップ、ファレスが2点、バスケスが1点。
  • オフサイド数5位タイ(多)。
  • 枠に当てた回数も助けられた回数も0。
  • イエローカード数3位(多)。レッドカードはない。
  • 1試合平均走行距離9位。個人ではロヴェッラがリーグ3位。
  • ポゼッションタイム15位。自陣13位。敵陣18位。
  • アクチュアルプレイングタイム16位(短)。
  • ロヴェッラが3アシストでリーグ9位タイ。カイセドとカンビアーゾが2アシスト。
  • キーパスはロヴェッラが19本でリーグ17位タイ。バデリ、カンビアーゾ、ヤヤ・カロンが10本で続く。
  • 被ファウル数リーグ10位タイがパンデフ
  • シリグがセーブ数リーグ6位。
  • 直近10試合の対戦はミランの6勝2分2敗。マラッシでの直近10試合はミランの6勝1分3敗。ミランはマラッシで4シーズン負けがない。
  • 最近9試合はどちらのチームも2点止まり。過去22試合でも3点以上取ったことがあるのはジェノアが2回だけ。

 

サッスオーロ戦後の2日間

 ケアーがバロンドールの投票で18位に。

 

先発&フォーメーション

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 ミランはトモリが復帰。べナセルが内耳炎で欠場。カラブリア、レビッチ、ジルー、サムカス、プリッツァーリが負傷欠場。ロマニョーリが出場停止。

 ケシエがミランでの公式戦200試合出場。

 ジェノアはクリーシト、デストロ、カイセド、ファレス、マクシモヴィッチ、ヤヤ・カロンが欠場。セルペが招集外。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2021-22 | 15ª Match Day | Lega Serie A

 

ハイライト


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流れ

 0分30秒、ミランがハイプレスを仕掛け、ジェノアは右サイドからバスケスバスケスから低い位置のカンビアーゾに繋ぐ。カンビアーゾは内側に運んでカルルをかわしてケアーとも入れ替わってビアンキにパス。ビアンキが左に開いたロヴェッラに渡し、ロヴェッラがリターンを出すが合わずにブラヒムが拾う。しかしすぐにプレスをかけて奪い返しバデリから中央に上がっていたカンビアーゾに縦パスが入りカンビアーゾがシュートを撃つがトモリがブロック。こぼれ球をエクバンが粘り再びカンビアーゾがシュートを撃つが枠の上に外れる。

 カンビアーゾと入れ替わった時にケアーが膝を痛めてストレッチャーに乗せられてガッビアと交代。

 

 ジェノアは2トップと中盤はハイプレスの構えを見せるがDFラインが低い。ミランボランチの片方がCBの間か脇に降りて幅広めの3バックに変化し、メニャンも使いながら2トップ脇からの前進を図る。SBが高い位置で幅を取り、左サイドはクルニッチ、右サイドはイブラやメシアスがWB手前のスペースでボールを受ける。

 ミランはマンツーマンのハイプレス。ボールサイドではないサイドハーフが中央に絞る動きもクルニッチとメシアスが徹底。ジェノアは後方から繋ごうとするが出しどころがなく前線に蹴るが収まりも悪い。

 9分、カルルのミドルシュートがハンドを誘いFKを獲得する。イブラが壁の外を巻いたシュートを撃つとシリグは動けずにボールがネットを揺らしミランが先制。

 10分、敵陣PA手前でブラヒムがボールを奪われるが、すぐに奪い返してメシアス、ケシエ、テオと繋ぎ、テオの折り返しにイブラが合わせるがミートしきれず枠の右に大きく外れる。

 16分、ミランが右サイドでプレスをかける。ロヴェッラがバスケスに出したバックパスが少しズレ、コントロールしきれなかったところをメシアスが奪いイブラへラストパス。イブラがシュートを撃つがファンフースデンがブロック。

 20分、ガッビアからメシアスへ縦パス。メシアスはスルーしてブラヒムが受ける。外に流れたブラヒムがインスイングのクロスを入れると、イブラとクルニッチを超えてファーでフリーのテオの手間でストゥラーロが戻ってクリア。

 41分、スローインからエクバンがPA内でボールを受けるが、バックパスがズレたのを拾ったメシアスが大きく前線に蹴る。これをイブラがマジエッロに競り勝って中央を上がってきたブラヒムに繋ぐ。ブラヒムがドリブルで運びバスケスもかわしてシュートを撃つが枠を捉えられない。

 45分、右サイドでイブラがオシャレにカルルに繋ぎ、カルルも上手く処理して中央のブラヒムにパス。ブラヒムが前方のクルニッチに繋ぎ、クルニッチが反転シュートを撃つがファンフースデンがブロック。高く上がったこぼれ球をメシアスがコースを狙ったヘディングシュート。これが見事に決まってミランが追加点を挙げる。

 0-2で前半終了。

 後半からミランイエローカードを貰っていたガッビアに替えてフロレンツィを投入しカルルがCBに移動。

 45分、ブロック外に降りたクルニッチがケシエからのパスをワンタッチで前線に蹴る。ライン間でブラヒムがコントロールしフロレンツィにパス。フロレンツィのクロスにイブラが合わせるが上手くミートできない。

 47分、左サイドからジェノアのFK。ロヴェッラのボールをニアでエルナニが頭で合わせるが、メニャンが横っ飛びで防ぎ、こぼれ球もトモリがオーバーヘッドでクリア。

 ミランはイブラを下げてペッレグリ投入後はボランチではなくフロレンツィが3バック化し3-2-5でビルドアップ。

 60分、トモリからテオへパス。テオはギリオーネのプレスを受けてトモリに戻す。トモリは左サイドライン際に降りたクルニッチへパス。クルニッチは足裏を使い後ろにフリックするとテオが拾い運んでいく。テオから中央で横パスを受けたブラヒムは右でフリーのメシアスに繋ぐ。メシアスはワンタッチでゴール左下隅に流し込みミランに3点目をもたらす。

 78分、センターサークルでポルタノーヴァがメシアスからボールを奪うと、メニャンの位置を見てロングシュートを撃つ。入ったと思うほど完璧な軌道だったが、懸命に戻りジャンプし腕を伸ばしたメニャンがスーパーセーブ。

 87分、右サイドでフロレンツィから後ろ向きでパスを受けたバカヨコがターンをして左のクルニッチに展開。クルニッチはテオへバックパスをし、ライン間に入ってリターンを受け直す。クルニッチは中央のメシアスに繋ぐと、メシアスはワンタッチで内側を駆け上がったテオにパス。しかし、テオの足元でギリオーネが足を出し、こぼれ球をバスケスがクリア。

 0-3で試合終了。

 

ミラン

 相手のレベルは差し置いて、カンピオナートでは10節以来の無失点、連敗の悪い流れをを払拭する素晴らしい内容と結果を得た。ケアーの負傷がなければ最高だったのだが…

 

 3-1のビルドアップ自体は最近と変わらないが、メニャンを絡めることで時間とスペースを前方に作り、やり直しも辞さず丁寧に相手の1列目を超えていき、SBがWBを押し込んだ手前のスペースを起点に打開を図ることができた。特に右サイドにボールがよく集まっていた。

 ただ、ミランが良かったというよりもジェノアが悪すぎたようにも感じる。裏抜けをせずともジェノアのDFラインが低いままなので、1つ前進できればライン間には十分なスペースがあったし、ジェノアの2トップのプレスバックの意識も高くないので至るところにスペースがある状態だった。

 ハイプレスは強度が上がった。開始早々にカルルから遠い位置で受けたカンビアーゾに寄せきれずに運ばれてしまったが、以降は選手が変わっても問題なかった。

 しかし、こちらもジェノアの力不足の面があるのも否めない。連敗させられたフィオレンティーナサッスオーロもビルドアップに力を入れているチームかつ前線に収まる選手がいたので余計にそのように感じる。

 51分のクルニッチの守備対応が素晴らしかった。逆サイドにボールがあるので絞ってエルナニをマークして中央までついていくが、ギリオーネに展開されるとすぐに寄せてクロスを防いだ。プレス時だけでなく、保持された時に4-4-1-1でしっかり構えることができるのもクルニッチが入る利点。試合を通してレオンには絶対にできない守備のサポートがテオもケシエもトモリも楽にさせていた。裏MVPです。マジエッロのミスパスを奪った場面でシュートを決めていれば最高だが、決めないのがクルニッチ。

 

 メシアスが初先発でフル出場&ドッピエッタ。どちらのシュートもワンタッチで冷静にコースを狙ったもの。イブラが降りてきたら被らないように中央に入るし守備も献身的。

 ピンチはほとんどなかったが2つのビッグセーブで無失点に貢献したメニャン。異常な身体能力。

 スペースを得たブラヒムも躍動。トラップもドリブルもめちゃうまだった。

 イブラが素晴らしいFKを決めてチームは精神的にも楽にプレーできた。10分と45分のシュートは決めたかった。ゴール後にピオーリのところに行って皆で喜んだのは良い場面だった。

 カルルはSBもCBも卒なくこなして本当に貴重な戦力になっている。ガッビアも緊急出場ながらしっかり試合に入ってくれた。

 怪我明けのトモリは流石の存在感。守備はもちろんのこと、ボールを動かすという面でも頼りになる。

 

 走行距離が109kmで前節から8km増。今季平均よりも5kmほど多い。ケシエ以外にクルニッチとメシアスも11km超え。

 

 次は土曜日に中2日でホームサレルニターナ戦。来週には運命のリヴァプール戦が控えているが、まずはサレルニターナを一蹴して良い流れを作りたい。今節は休養を得たレオン頼むぞ。

 

ジェノア

 デストロとクリーシトの離脱は大きすぎるし、カイセド、ファレス、カロンとチャンスに絡んできた人たちがいないのも攻撃面で厳しいものがある。ロヴェッラも離脱となると尚更厳しい。

 もっと2トップもラインを下げてゴール前にバスを停めてシリグのスーパーセーブで耐えつつ、奇跡のカウンターに賭けるのが現状を乗り切る唯一の策に思える。頑張れシェヴァ

 

主審 Juan Luca Sacchi VAR Luca Vanti

 序盤のテオとギリオーネがもつれた場面はテオのファウルを取っといた方が場が落ち着いた気がする。あと、ガッビアにイエローカードを出した時の態度がウザかったw