公式戦7試合未勝利、ズタボロの4連敗後にウノゼロで連勝。ミッドウィークのCLでは良い状態の頃のチームの雰囲気が戻ってきたことも伝わってきた5位のミラン。今節は毎年恒例の女性への暴力反対キャンペーンの試合で頬に赤いインクを付けて戦う。
モンツァは8勝5分9敗、28得点30失点で10位。パッラディーノが就任した7節以降の成績ではリーグ6位でミランとアタランタを上回り、ワールドカップ中断明けはインテルに引き分け、ユヴェントスにシーズンダブルを記録するなどセリエAで唯一無敗を維持している。
- ホームゲーム4勝3分4敗、16得点13失点。
- 得点数9位タイ。セットプレーから1点、FKが2点、PKが4点、OGが1点。シュート決定率11%。途中出場選手の得点数1でリーグ最少。
- カルロス・アウグストとカプラーリが4点、ペッシーナ、ダニー・モタ、チュリーアが3点、ペターニャ、センシ、コルパニが2点。1点が4人とスコアラーがバラけている。
- チュリーアとペターニャが4アシスト。カルロス・アウグストが3アシスト、ペッシーナが2アシスト。
- シュート数15位タイ。枠内シュート数14位。枠内シュート数チームトップ3はカプラーリ、カルロス・アウグスト、チュリーア。
- 枠に当てた回数3回で18位タイ。
- オフサイド数5位タイ。
- PK獲得回数4回で5位。決定率100%。献上回数0。
- 失点数12位タイ。無失点試合7。60~75分が最多の8失点。
- セーブ数9位。
- リカバリー数18位。チームトップはペッシーナ。
- 1試合平均走行距離リーグ2位。スプリント距離は13位。個人では2位にペッシーナ、6位にロヴェッラ。
- ポゼッションタイム3位。パス成功数4位。ファイナルサードのパス数7位。ロングボール成功数10位。
- キーパス数15位。チームトップはセンシとチュリーア。
- ドリブル数7位。被ファウル数チームトップはセンシで2位がイッツォ。
トッテナム戦後の4日間
特になし。
先発&フォーメーション
ミランはフロレンツィ、メニャン、ベナセル、カラブリアが負傷欠場。トモリとデストが復帰。
テオがミランでの公式戦150試合目。
🚄 Steamrolling on! Long may the journey continue, @TheoHernandez 👏 #SempreMilan pic.twitter.com/WX9VyGVlaB
— AC Milan (@acmilan) 2023年2月18日
モンツァはカルロス・アウグストとヴィニャートが負傷欠場。
スタッツ&控え
ハイライト
流れ
30秒、ビリンデッリが降りてきたカプラーリとのワンツーでサイドを突破。中央へのパスはクルニッチがブロックするが、メシアスの裏に流れたボールに反応したチュリーアがシュートを撃つがタタルシャヌがセーブしモンツァのCK。チュリーアのアウトスイングのボールをニアでペターニャが屈んで頭で合わせるがタタルシャヌがセーブ。
モンツァの3-2ビルドアップにミランは3-4-1-2で中央のブラヒムが中盤の状況を見ながらパブロ・マリにプレスをかけて、後ろがそれに連動して人を捕まえていく。モンツァはミランの中盤を引き出してライン間にスペースを作り、WBとシャドーのポジションチェンジも織り交ぜながらサイドを基点に前進しようとする。チュリーアとモタのポジションチェンジにはカプラーリは中央に寄って絡んでいく。
ミランの3-2ビルドアップにモンツァは噛み合っている中盤と前線でミドルプレスに行こうとするが、ミランはボランチが1人サイドかDFラインの間に降りて4-1気味に可変し、ズレを作って前進しようとする。
18分、クルニッチがチャウとトモリの間に降り、左に開いたトモリが持ち出して前進したところから、最後は左ハーフスペースで受けたレオンがコントロールミドルシュートを撃つが右ポストに当たる。
24分、カプラーリのポストプレーから左に開いたモタがパスを受けるが、躓いたところでメシアスが寄せてボールを奪いカウンター。レオンがPA外からシュートを撃ち、ディ・グレゴリオがキャッチしきれなかったボールにブラヒムが詰めるがディ・グレゴリオがセーブ。ミランの左CK。テオのアウトスイングのボールにチャウが飛び込むが枠の上に外れる。
28分、レオンが下がり、トモリが内側を上がっていくと、大外のテオから内側を抜け出したトモリに浮き球でパス。トモリが左足で強烈なシュートを撃つがディ・グレゴリオがファインセーブ。
30分、クルニッチからスペースのある状態でパスを受けたレオンのドリブルは失敗するが、クルニッチがディ・グレゴリオにプレスをかけて蹴らせ、カルルが頭でメシアスに繋ぎ2次攻撃。メシアスから大外を駆け上がったカルルへのパスはミスになるが、カットしたチュリーアにオリギが寄せてパスがズレたところをメシアスが奪い3次攻撃。メシアスは中央のブラヒムに渡し、ブラヒムがワンタッチで右のカルルにパス。カルルがワンタッチでマイナスのクロスを入れ、オリギが触り高く浮いたボールをペッシーナが頭で触りこぼれたボールをメシアスが拾いボレーシュートを撃つとディ・グレゴリオが弾ききれないシュートが決まってミランが先制。0-1
0-1で前半終了。
後半からモンツァはカプラーリとモタの位置を入れ替え、保持では左サイドのポジションチェンジにイッツォとペッシーナも絡んで活性化を図り、非保持ではプレスを強める。
52分、ミランのビルドアップ。メシアスが大外で受けて中に運んで左のトナーリにパスを出そうとするが、チュリーアに当たられてバランスを崩しミスキックになると、中央でモタが奪い、最後はペターニャがシュートを撃つがタタルシャヌの正面。
56分、モンツァがFKのこぼれ球を拾って2次攻撃。ロヴェッラのアーリークロスをチャウが跳ね返し、こぼれ球をテオが前向きで拾い、頭で押し出してブラヒムが受ける。ブラヒムが中央のレオンに繋ぎ、レオンがワンタッチで前に出し、テオがPA内に運んでチップショットを撃つが枠に収められない。
58分、モンツァはRWBにチュリーア、LWBにカルボーニ、右シャドーにマチン、CFにモタが入る。
61分、モンツァが右サイドで3vs3を攻略し、ロヴェッラがマチンとのワンツーでPA内に侵入してモタにパスを出し、リターンをシュートもトモリがブロック。
67分、中盤でこぼれ球を拾ったデ・ケテラーレがキープし、サレマからパスを受けたクルニッチがレオンに展開。レオンがマルロンを縦に突破し左足でシュートを撃つがディ・グレゴリオがセーブ。
70分、モンツァは非保持はチュリーア、イッツォ、マリ、カルボーニの4バックの4-3-3に変更。保持は2CBと3人の中盤が流動的に動いてフリーマンを作って運ぶ。
72分、モンツァのFK。チュリーアのキックはタタルシャヌがパンチングで飛ばし、カプラーリのクロスはレオンがクリア。右サイドでテオがこぼれ球を拾うが、カルボーニに奪われ、カルボーニのクロスをファーでチュリーアが収めて左足を振り抜く。シュートは右ポストに当たって跳ね返り、タタルシャヌの足に当たったボールが再びポストに当たりラインを割る。
80分、ミランは5-4-1リトリートに変更。
83分、カルボーニにが強引に折り返し、チュリーアが浮かせてギトケアに繋ごうとするがチャウがカット。テオがレビッチとのワンツーで持ち運んでカウンター。深い位置まで運び、折り返しをジルーが落とし、トナーリがシュート。ディ・グレゴリオがいっぱいに腕を伸ばして弾いたこぼれ球をサレマが拾いデ・ケテラーレが撃つがペッシーナがブロック。
90+2分、カルボーニのシンプルなクロスをチャウがギトケアの前でヘディング。ライン間にこぼれたボールをイッツォが左足でシュートを撃つが枠の上に外れる。
0-1で試合終了。
ミラン
前半は立ち上がりのピンチをタタルシャヌが防ぐとその後は落ち着いた試合運びで先制点も奪うことができたが、後半はモンツァの修正によりプレスの的を絞れず、保持の時間も作れず、60分以降は苦しい時間が続いたものの、なんとか耐え凌いで3試合連続ウノゼロ勝利。今節も暫定3位に浮上した。
前半のプレッシングはブラヒムと中盤が連動して先陣を切り、5バックがマークを受け渡すのか付いていくのか判断がしっかりできていたのが良かった。前進されても全体がコンパクトでスペースを狭め、オリギが攻撃のサポートに行くイッツォに付いていくこともしっかりやってくれた。
後半はモンツァのビルドアップの流動性が上がったことでハメきれずに前進される場面が増えただけでなく、プレス強度が上がって奪ってもすぐに奪い返される場面も増えてどんどん押し込まれる展開になった。選手交代も改善には至らず、最終的に戦力外と思われていたバカヨコを中盤に投入し5-4-1ブロックで跳ね返し続けることを選択して逃げ切った。前半は五分五分の保持率だったが後半は僅か32%だった。とはいえ後半にカウンターから2つの超決定機があったので決めていれば、もう少し楽に終われたのかもしれない。
保持は前半はそれなりに機能した。ダブルボランチが低い位置を取ることでモンツァのダブルボランチも釣り出してライン間にスペースを作り、ブラヒムとレオンが間受けを狙い、オリギが裏を狙ってCBを牽制する。特に左サイドはトモリが開いたり、上がったりすることでカプラーリの守備の基準を狂わせチャンスにも繋げていた。トモリは4バック時代にビルドアップの可変で3バックの左を担当していた時は攻撃参加してもあまり期待できなかったので、3バック継続ならカルルのようにSBを兼任するCBの必要性がより高まると思っていたが、3バック初戦で良いプレーが見られたのは朗報だった。
一方で後半はモンツァが人への意識を強めてきたことでプレッシャーを受けてボールロストが増加し完全に機能不全に陥った。こうなると+1になれるメニャンや、独力でプレス回避できるベナセルの不在が影響してくる。繋げないならレオンとオリギをサイドの裏に走らせてプレスをかけてセカンドボール回収などでミドルゾーン保持に繋げたかった。
タタルシャヌはトッテナム戦でも裏へのパスに飛び出して対応した場面があったように、明確に基本ポジションを前に取るようになった様子。
チャウは初めての中央でも良かった。クロスに対して強いだけでなく、スペースへのスルーパスの対応も問題ないスピードを見せ、ケアーとガッビアでは身体を先に入れられてしまいそうな場面でも先手を取っていた。また、48分にはロングスローで上がってくる場面もあり、セットプレーの一つとして取り組み始めるかもしれない。
3連戦はトナーリとクルニッチの負担が大きかったがよく走りきってくれた。
カラブリアとデストよりも守備の1vs1が強そうなサレマ。
次は日曜日に暫定4位のアタランタとのホームゲーム。爆発的な得点力を持つCL出場権争いのライバルとの重要な直接対決だが、次節はDAZNではリアルタイム配信されず、SPOTVに課金する必要がある。
モンツァ
後半は押し込んでチャンスも作ったが1点が遠かったが、修正後の圧倒的な内容でパッラディーノ監督は負けてなお有能ぶりを発揮した。
センシが降りてイッツォが右サイドを上がり、左はペッシーナが運び、70分以降は超攻撃的ビルドアップだった。
ゴール前に飛び込んだり、追い越す動きが上手いカルロス・アウグストの不在は痛かった。
主審 Antonio Rapuano VAR Valerio Marini
足の接触に厳しく、身体同士の競り合いは寛容なジャッジだったが快適ではなかった。ビリンデッリのシミュレーションはかわいそう。