自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

21-22セリエA第32節 vs トリノ(A) ドリブルとブレーメル

 

 残り7試合で2位と1ポイント差で首位のミランは公式戦11試合無敗で5試合連続無失点中。失点が少ない一方、9得点しか奪えていない攻撃が明確な課題になっている。

 

 トリノは1試合未消化の10勝8分12敗で11位。8試合未勝利の泥沼から前節ようやく抜け出した。複数得点が9試合ない。好守拙攻の両チームによる対戦となる。

 以下の順位はすべて暫定。

  • 今季ホームゲーム7勝4分4敗、27得点16失点。アウェイと比較して勝ち点は約2倍、得点は3倍以上。
  • 35得点はリーグ14位。ヘディングゴール数8はリーグ5位タイ。セットプレーから5点、PKが1点、OGが2点。15-30分と75-90分に最多の8点。
  • ブレカロがチームトップの6点。ベロッティとサナブリア(ヘディング3)が5点、ポベガが4点、ブレーメル、シンゴ(ヘディング2)、ピアツァが3点。
  • ルキッチとシンゴがチームトップの4アシスト。アンサルディが3アシスト、マンドラゴラとヴォイヴォダが2アシスト。
  • シュート数10位。枠内シュート数13位。チームトップはサナブリア。ベロッティ、ポベガ、ブレカロ、シンゴが30本以上で続く。
  • 枠に当てた回数16回でリーグ3位。ベロッティとサナブリアが3回、ブレカロが2回。
  • 30失点は5位。無失点は7試合。75-90分に全体の41%に当たる12失点。
  • 枠に助けられた回数8回。
  • 1試合平均リカバリー数4位。ブレーメルが2位に100回の差をつけてダントツのリーグトップ。チーム2位はポベガ。
  • セーブ数最少。
  • ドリブル数15位。
  • クロス成功数4位。
  • CK数15位。
  • オフサイド数3位(多)。
  • PK獲得数1回。献上回数5回。
  • 1試合平均走行距離16位。ポベガとルキッチがチームトップ。
  • アクチュアルプレイングタイム最短。
  • ポゼッションタイム12位。自陣18位。敵陣5位。
  • パス成功数11位。キーパス数9位。ファイナルサードのパス数6位。
  • キーパス数45本でリーグ9位タイにブレカロ。ボランチのマンドラゴラとルキッチが20本以上。
  • 被ファウル数リーグ12位タイにシンゴ、21位タイにリッチ。
  • セリエA過去19試合の対戦成績はミランの9勝8分2敗。ピオーリ就任後は4戦全勝で無失点。
  • オリンピコ・グランデ・トリノでは2勝5分2敗。12-13シーズン以降のミランのアウェイ勝率はユヴェントスインテルナポリに次ぐワースト4位。

 

ボローニャ戦後の1週間

 ボローニャ戦でフロレンツィが左膝内側半月板を損傷し手術。全治は1か月の予定だが10月にも同じ箇所を手術している…

 コナミと7月からクラブ史上初のオフィシャルトレーニングウェアパートナーシップを締結。更に主要パートナーの一員になることも発表。

 

先発&フォーメーション


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 ミランロマニョーリ、フロレンツィ、ケアーが負傷欠場。当日になり、べナセル、レビッチ、カスティジェホが筋肉疲労、イブラが左膝の違和感で欠場。ラゼティッチを緊急招集。ブラヒム、ロマニョーリは累積リーチ。

 トリノはマンドラゴラ、プラート、サナブリア、ジジ、ザザ、ファレスが負傷欠場。エデラが招集外。

 

スタッツ&控え

Match Report | 2021-22 | 32ª Match Day | Lega Serie A

 

ハイライト


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流れ

 

 トリノはマンツーマン。中盤はポベガがケシエ、リッチがトナーリ、ルキッチがブラヒムをマーク。後方でのパス回しにはそれほど強いプレッシャーはかけず、ミドルゾーンで受ける選手への対応を準備する。ミランはCBが開き、トナーリが降りたり、SBが中央で受けようとするがマーカーも付いてくるため、フリーのメニャンからのロングボールが多い。ロングボールを繋げれば速攻、繋げないとセカンドボールを回収したチームが保持に入る。

 ミランもマンツーマンで守るが、トリノはそもそも後方からのビルドアップは行わずにロングボールのセカンドボール回収とミドルゾーンでの保持が主体のチーム。ミドルゾーンでボールサイドではない時のサレマーケルスはリッチに付き、トナーリが中盤の守備のフリーマンになる。トリノはベロッティに楔を入れて押し上げを図るがトモリが徹底マーク。

 

 12分、トリノは右サイドからリッチを経由してボールを受けたフリーのリカルド・ロドリゲスが持ち上がり大外のヴォイヴォダにパス。ヴォイヴォダのインスイングクロスにトモリとテオの間に入ったベロッティが頭で合わせるが当てるのに精一杯で枠を外れる。

 23分、中央でトモリからサレマーケルスへ縦パス。サレマはレオンに繋ぐが、レオンがジマに仕掛けられず右のカラブリアにパス。カラブリアが頭で折り返したボールはポベガに弾かれるが、カラブリアがこぼれ球を拾い左足でシュート。しかし、ベリシャがセーブ。

 32分、左サイドのヴォイヴォダからベロッティへ斜めの楔。ベロッティがブレカロに落とし、ベロッティがトモリを釣り出したことで生じたスペースに走り込んだリッチにブレカロがワンタッチでスルーパス。リッチが左足でシュートを撃つが枠の左に外れる。

 0-0で前半終了。トリノは前半に枠内シュート0本だったのが今季5試合目。前回のミラン戦もその一つ。

 

 49分、シンゴが前線のポベガにハイボールを送る。ポベガがケシエに競り勝ち、ミドルシュートを撃つがカルルがブロック。こぼれ球もポベガが拾い、左のヴォイヴォダにパス。ヴォイヴォダの左上隅へのミドルシュートはメニャンがファインセーブ。

 64分、中央でパスを受けたリカルド・ロドリゲスが右に運びながら、ブレカロのマークのために前に出たカルルの裏にベロッティを走らせる。ベロッティが爪先でコントロールし右足を振り抜くがトモリがブロック。

 73分、中央のケシエからパスを受けた右サイドのメシアスがメシアスに寄せたリカルド・ロドリゲスの裏に走ったトナーリにワンタッチでスルーパス。トナーリが付いてきたリッチをかわして左足でシュートを撃つがベリシャがセーブ。

 74分、ゴール前中央をカラブリアとサレマで崩そうとするが、逆にトリノが奪ってカウンター。ポベガから受けたヴォイヴォダが左サイドに逃げながら浅いラインの裏に抜け出すベロッティにスルーパス。ベロッティが左足でシュートを撃つがサイドネット。おそらくオフサイド

 82分、メシアスが右サイドでブレカロとリカルド・ロドリゲスの間をドリブルで割って入ろうとするがリカルド・ロドリゲスが止める。リカルド・ロドリゲスからパスを受けたブレカロが左に流れたペッレグリにスルーパス。ペッレグリはトモリのタイミングをずらして右足でシュートを撃つがメニャンの正面。

 0-0で試合終了。両チームともシュート14本(枠内3)で、走行距離は今季の平均より10㎞ほど多い115㎞。

 

ミラン

 

 ドリブルを生かして幾度かゴールに迫るものの、番人ブレーメルを超えられず、シュート精度も欠き、終盤は得点の匂いよりもカウンターによる失点の臭いが強いまま2試合連続のスコアレスドロー。単独首位から暫定首位に降格。

 

 ビルドアップではSBに中央でレシーバーになる役割を課すが、トリノのマークには意味を成さず、ショートパスを繋いで前進することが難しいなかで効果を発揮したのはドリブル。27分のサレマがドリブルで右サイドを突破してPA内で倒れた場面のきっかけは、カルルが中央へのドリブルで降りてくるレオンを見つけ、レオンがドリブルで中央を運んで行ったこと。40分のライン間で受けたブラヒムがブレーメルに潰される場面はサレマのサイドから内側への持ち出しでジルーへのパスコースが見つかった。58分のテオがシンゴに倒された場面もサレマが中央でボールを受けて食いついた相手をかわしてテオに繋いでいる。これらを踏まえると、テオは3バック気味にして低い位置から運ばせる方が機能したように思える。また、プレスを剥がせるべナセルの急な欠場やトナーリの万全ではないコンディションによって、ケシエを前でジルーとのダブルターゲットマンとして用いることもできなくなったのは痛かった。イブラとレビッチの欠場は言わずもがな。

 そんな試合でブラヒムが空気だったのは本当に悲しかった。もっとボールを受けに来てドリブルで運んでくれること期待していたが、代わってトップ下に入ったサレマの方が期待した動きをしていた。食いついてくる相手をかわすのが上手く、走るのを厭わないダイナミズムの面でもサレマのトップ下やインサイドハーフは今後も試す価値はありそうだ。

 

 次は金曜日にホームジェノア戦。ここで勝てなかったらスクデットはないと思うが、何が起こるかわからないので一喜一憂せずに頑張ろう。

 

トリノ

 

 圧巻のブレーメル。ジルーに収めさせず、決定機になりそうな場面を尽く止めた。

 ペッシーナ、バラクと続く、左利きで攻守に貢献できるユリッチの右シャドーの系譜に連なるポベガ。

 

主審 Daniele Doveri VAR Massimiliano Irrati

 

 テオがシンゴに倒された場面は明白な間違いと言い切れないのは理解できるが、ショルダートゥショルダーではなかったのも明らか。