自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

21-22 セリエA総括 ~選手編~

 シーズンを通しての活躍、チームにおける重要性を重視して選出したベストイレブンと、ベストイレブンに漏れたがそれだけの価値があるプレーを見せた選手、個人的に感じるものがあった選手を50人選びました。トップ50ではなく50選です。

 ミランの選手の評は以下の記事の後半にございます。

 

incursore.hatenablog.com

 

 データはPlayer Statistics | Lega Serie AセリエA公式サイトより。その他のデータはoptaのもの。

 


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個人的ベストイレブン

触れておきたい選手と監督

 


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GK

 Mike Maignan(MIL)


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次点

 David Ospina(NAP)

 31試合出場で25失点。セーブ率2位。13試合で無失点を記録し、クリーンシート率はメニャンに次ぐ2位。守備の時間が少ないなかでも不意に訪れるピンチを好セーブで防ぐ姿が印象に残った。また、後方でのパス回しやプレス回避を行うスパレッティのスタイルにも順応し、ミスなく安定したビルドアップにも貢献した。

 

その他

 Samir Handanovic(INT)

 37試合出場で30失点。セーブ率3位。クリーンシート15回はメニャンに次ぐ2位タイ。年々ミスが増加している印象はあるが、37歳でも決定的なセーブの数は落ちていない。軽傷で回避した1試合の敗戦がスクデット争いを大きく左右する一戦になってしまった。

 

 Guglielmo Vicario(EMP)

 全試合フル出場。70失点、無失点は7試合ながら、総セーブ数はリーグ最多。PKセーブ率は5/10の50%。スーパーセーブを連発してエンポリの残留に大きく貢献した。降格したカリアリからのローンというのも皮肉めいている。

 

 Ivan Provedel(SPE)

 8節以降の31試合に出場し52失点。クリーンシートは7回。1試合平均セーブ数3位。セーブ率7位。ベンチだった7試合で19失点を喫していたので、プロヴェデルが出場し始めて失点数が減少した。ヴィカーリオ同様、スーパーセーブを連発してスペツィアの残留に大きく貢献した。

 


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CB

 Bremer(TOR)

 33試合3G1A。リカバリー数466回は2位に70回の差をつける断トツの1位で今季のセリエA最優秀DFに輝いた。昨季までもデュエルの強さで高い評価を受けるCBだったが、今季はマンツーマンディフェンスを用いるユリッチの指導を受けてインターセプトの技術や読みが飛躍的に向上した。もしトッテナムへの移籍となれば、昨季のセリエA最優秀DFロメロとの共演となり、その他の面々も含めてセリエAファンには胸アツなチームになるが、来季からDAZNではプレミアリーグを観られない。


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 Milan Skriniar(INT)

 35試合フル出場で3得点(全て決勝点)。FP出場時間12位。出場しなかった3試合は怪我ではなく、下位相手のターンオーバー。シモーネ・インザーギの信頼が厚く、定位置の右インサイドバックだけでなく、中央も左も任された。DFとしての存在感や凄みは最高レベルに到達し、冷静な守備対応でアタッカーの進撃を防ぐ。左サイドからの攻撃が増えたため昨季よりも攻撃参加の頻度は減少した。契約は来季までのためビッグクラブから注目を集めているが、本人はインテル愛を繰り返し強調している。

 

 Fikayo Tomori(MIL)

 

次点

 Kalidou Koulibaly(NAP)

 12月の負傷で4試合、1月のアフリカネーションズカップで5試合、出場停止で2試合を欠場し27試合の出場に留まったが、類いまれな身体能力による常人には行えないスペシャルな守備と、繋いで良し、蹴って良し、運んで良しのビルドアップ能力で居ると居ないとでは攻守に違いを生んだ。セットプレーのターゲットとしても優秀で3G1Aも記録。シュクリニアル同様、契約は来季まで。

 

その他

 Matthijs de Ligt(JUV)

 ボヌッチキエッリーニ、ルガーニらと行うCBのローテーションの中心として31試合に出場し3G1Aを記録。攻撃の構築に苦労し、守備的な戦いを強いられることになったが、速くて強い守備対応で失点を減らして勝ち点獲得に貢献した。来季はDFリーダー以上の存在になることが期待される。

 

 Alessandro Bastoni(INT)

 軽傷が何度かあり31試合1G2Aに留まった。攻守ともに前への姿勢が強く出ていた。攻撃に於いては陰のアタッカーと言えるほど積極的にオーバーラップやインナーラップを繰り返し相手守備を混乱させた。

 

 Pierre Kalulu(MIL)

 

 Norbert Gyomber(SAL)

 主に右インサイドバックとして31試合に出場。残留の決め手となった終盤戦にクレバーなカバーリングで勝ち点の積み上げに貢献した。リカバリー数リーグ16位。

 

 Leo Östigard(GEN)

 1月にブライトンからローンで加入するとすぐに定位置を掴み14試合に出場しリカバリー数142回。184㎝という身長以上に大きく感じる空中戦の強さと激しい守備が魅力の22歳。1発退場とイエローカード2枚の退場を1度ずつ経験したが、ラフプレーではなくDOGSOとSPAによるもの。ファウルの判断や質の改善、適度な丁寧さが身に付けば良いCBになれそう。来季はナポリへの完全移籍が確実視されている。

 

RSB/RWB

 Giovanni Di Lorenzo(NAP)

 離脱者の多かったチームにおいて、30節の負傷交代まではRSBだけではなく、LSB、CBでも先発し、試合終盤にはボランチに入ることもあるなどほぼフル稼働でチームを支えていた。更に欠場した31-34節は経験の浅いザノーリが奮闘したが1勝1分2敗とスクデット争いで後退する原因になってしまった。1G4Aという数字も出場時間もナポリ加入後では最低だが、パフォーマンスの安定感は最高だった。

 

次点

 Denzel Dumfries(INT)

 ハキミの後釜として加入。序盤戦はダルミアンの控えとして戦術に適応する時間を過ごすと、途中出場でインパクトを与え続けて12月からレギュラーを獲得し33試合で5G4Aを記録した。驚異的なフィジカルとスピードでサイドを駆け上がり、クロスの出し手にも受け手にもなった。

 

その他

 Nahuel Molina(UDI)

 昨季後半戦の活躍でコパ・アメリカにも出場し、今季は更なる飛躍が期待されるシーズンとなった。序盤戦はデ・パウルを失ったチームとともに低調でベンチスタートの時期もあったが、11月頃から調子を上げ、キック精度と意外性のあるポジショニングを武器に35試合で7G2Aを記録した。欠場した3試合は全敗で1得点のみ。キーパス数チーム2位。

 

 Raoul Bellanova(CAG)

 ミランプリマヴェーラ出身でボルドーからローンで加入。序盤戦はベンチスタートが多かったが、12節以降はCovid-19に感染した1試合を除く全試合に先発し31試合で1G1Aを記録した。キーパス数チーム2位。188cmの長身でダイナミックな走りを見せるため、左も務めたがRWBが最適。ボルドーから買い取ってインテルに転売される模様。

 

LSB/LWB

 Ivan Perisic(INT)

 35試合に先発し8G6A。キーパス数リーグ15位。ビッグチャンスを作った回数3位タイ。シーズンを通してキレのある動きを見せたが、特に終盤の8試合で3G4Aの活躍。リカバリー数は3バックの3人に次ぐチーム4位。来季はコンテのトッテナムにフリーで移籍。

 

次点

 Theo Hernández(MIL)

 

その他

 Mario Rui(NAP)

 34試合に先発し5A。キーパス数チーム3位。被ファウル数チーム最多。FP出場時間12位。技術と視野を活かしてナポリが重視する後方のビルドアップのキーマンの一人として活躍。エンポリ以降のキャリアしか知らなかったが、調べてみると、スポルティングバレンシアベンフィカというなかなかエリートなユースキャリアだった。

 

 Cristiano Biraghi(FIO)

 今季からカピターノに就任し、出場停止の1試合を除く37試合に先発。左足のキックを武器にセットプレーとクロスで4G1A、キーパス数リーグ3位を記録した。FP出場時間4位。チャンスメイク数に対してアシストが1しか付かなかったのは不憫でしかない。

 

DM

 Marcelo Brozovic(INT)

 負傷2試合、出場停止1試合を除く35試合に先発し2G1A。1試合平均パス成功数リーグ3位。2季連続1試合平均走行距離リーグ1位。欠場した3試合は未勝利で、文字通り替えの効かない存在だった。6月のネーションズリーグも4試合フル出場という異常な体力。


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 Sandro Tonali(MIL)

 

その他

 André Zambo Anguissa(NAP)

 移籍市場終盤にフラムからローンで加入し、3節に先発デビューを飾ると、ファビアン・ルイスの相棒としてフィジカルを活かした守備とボールを失わない技術で瞬く間に中心選手になった。負傷、アフリカネーションズカップ、出場停止で11試合を欠場したが1試合平均走行距離チーム1位で、リカバリー数は4バックの4人に次ぐチーム5位。1試合平均ドリブル成功数は中盤の選手では最多。ナポリは当然買取オプションを行使した。アタッキングサードでの質が上がれば鬼に金棒だ。

 

 Stanislav Lobotka(NAP)

 3人目のボランチとしてファビアン・ルイスとザンボ・アンギサ欠場の穴を埋める以上の輝きを放った。小回りの利くターンでプレスをいなし、テンポよくショートパスを繋ぐ。1試合平均パス成功数リーグ5位。

 

 Lucas Torreira(FIO)

 アーセナルからローンで加入し主にアンカー、たまにインサイドハーフとして31試合に出場。ヴラホヴィッチ退団後はロースコアのゲームで泥臭く貴重な得点を奪う活躍も見せた。5Gはキャリアハイ。フィオレンティーナは金銭的な理由から買取オプションを行使しないことを発表。今後の動向に注目が集まる。

 

 Maxime Lopez(SAS

 ダブルボランチまたはアンカーとして33試合に先発し2G1A。1試合平均パス成功数リーグ4位。キーパス数17位タイ。リカバリー数チーム4位。1試合平均走行距離10位。イエローカード数14枚はリーグ最多タイ。ロカテッリの移籍でビルドアップの中心になると、アンカーとしてカウンターに備えることで昨季よりも守備機会が増加した。クロスに対して必死にライン間を埋める動きも目立った。

 

CM

 Fabian Ruiz(NAP)

 32試合で7G4Aを記録。1試合平均パス成功数リーグ最多。レジスタとしてビルドアップの中心を担うだけでなく、精度の高いミドルシュートでチームを勝利に導いた。得点関与数はキャリアハイ。12月にクリバリ、オシムヘン、ザンボ・アンギサと負傷時期が重なったのがナポリにとって大きな痛手となった。ナポリは財政難のため今夏の売却を検討中。

 

次点

 Sergej Milinković-Savić(LAZ)

 サッリに監督が交代しビルドアップへの関与が増えたと思うが、しっかりゴール前にも顔を出して36試合に先発し11G10A。得点関与数はキャリアハイ。アシスト数4位タイ。シュート数18位。ヘディングゴール4点で5位タイ。リカバリー数10位。1試合平均走行距離2位。FP出場時間9位。流石にもうステップアップしよう。


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その他

 Nicolò Barella(INT)

 36試合に先発し3G11A。アシスト数キャリアハイ、リーグ3位。ビッグチャンスを作った回数リーグ2位。キーパス数13位タイ。被ファウル数チーム最多。1試合平均走行距離8位。序盤戦は絶好調でアシストを量産していたが、EUROの疲労もあったのか中盤戦でコンディションが落ちたことがイタリア代表に影響を及ぼした。

 

 Hakan Calhanoglu(INT)

 エリクセンの離脱を受けてライバルのミランからフリーで加入。開幕戦から結果を残して主力に定着すると、ビルドアップからチャンスメイクまでポジションチェンジの多い左サイドの攻撃の中心を担い、34試合7G12Aを記録した。アシスト数キャリアハイ、リーグ2位。キーパス数2位。

 

 Davide Frattesi(SAS

 3シーズンに渡るローン期間を経て復帰しセリエAデビューを果たすと、ダブルボランチまたはインサイドハーフとして35試合に先発し、ボックストゥボックスの働きで躍動し4G3Aを記録した22歳。被ファウル数22位。リカバリー数チーム3位。スペースの認知や走るタイミング、連動性が素晴らしく、馬力もあって難しい体勢からでも強いキックを蹴れる。

 

OM

 Lorenzo Pellegrini(ROM)

 負傷で8試合、出場停止2試合を除く28試合に出場し9G(PK2)3A。得点はキャリアハイ。シュート数9位タイ。枠に当てた回数6回で最多タイ。キーパス数6位タイ。1試合平均走行距離11位。トップ下かシャドーでボールに良く絡み、精度の高いキックとスペースに入り込む動きで攻撃面で高いスタッツを残した。自身とチームの決定力が向上すると更に価値が高まる。

 

RWG

 Domenico Berardi(SAS

 強力な攻撃陣の中心として33試合に先発し15G(PK6)13A。3季連続2桁得点かつ20得点以上に関与した。得点数7位。アシスト数キャリアハイ、リーグ最多。シュート数4位。キーパス数4位タイ。被ファウル数6位。数字的にはベストイレブンに入れるべきなのだろうが、サッスオーロの配信試合が少なかったこともあり、個人的に唸らされることが少なかったので外した。


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 Antonio Candreva(SAM)

 35歳ながら出場停止2試合を除く36試合に先発し7G(PK1)10A。シュート数19位。枠に当てた回数4回で5位タイ。アシスト数4位タイ。キーパス数4位タイ。ビッグチャンスを作った回数最多。被ファウル数チーム最多。1試合平均走行距離18位。FP出場時間10位。前半戦は多くの試合で得点に絡んだが、ジャンパオロ就任後は戦術変更と疲労が重なり、得点かアシストを記録したのは3試合のみ。

 

 Daniele Verde(SPE)

 ギャシと左右を入れ替えながら33(先発21)試合でいずれもチーム最多でキャリアハイの8G6Aを記録した。特に後半戦の活躍が残留にもつながった。オウンゴールを除いたチームの総得点が38なので約37%の得点をヴェルデが生み出した。

 

LWG

 Rafael Leao(MIL)


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ST

 Gianluca Caprari(VER)

 ペスカーラサンプドリア、ベネヴェントら過去の所属クラブでも技術と敏捷性を兼備するアタッカーとしてそれなりの働きを見せてきたが、今季はサンプドリアからローンで加入すると、33試合に先発しいずれもキャリアハイの12G(PK2)7Aを記録。波はあったが、シメオネ、バラクと強力なトリデンテを形成しチームのトップハーフフィニッシュに大きく貢献した。キーパス数9位。被ファウル数7位タイ。来季は完全移籍が決定。


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 Gerard Deulofeu(UDI)

 デ・パウルの10番を受け継いだ今季は主に2トップの一角として31試合に先発し13G(PK1)5Aを記録。前線を自由に動いてボールを引き出し、ドリブル、パス、シュートで相手に脅威を与えた。FKの精度も高い。シュート数17位。キーパス数最多。ウイングではなくセカンドトップとして新境地を拓くキャリアハイの1年を過ごし、来季はインシーニェの後釜としてナポリへの移籍が濃厚。

 

CF

 Dusan Vlahovic(JUV)

 昨季後半に覚醒して、今季も豊富な得点パターンでゴールラッシュ。2021年は33得点を奪った。1月にフィオレンティーナは契約が残り1年半で市場価格が最高の売り時、ヴラホヴィッチはステップアップ希望だがシーズン終了後のワールドカップ直前の移籍はリスキーと考えていたところに、ユヴェントスロナウドに替わるストライカーを急募と、3者の思惑が一致した移籍が成立。ユヴェントスは攻撃の軸を得て戦い方に一貫性が生まれ、ヴラホヴィッチ自身は15試合7G1Aとまずまずの成績を収めた。24得点(PK5)中10点(フィオレンティーナで7点、ユヴェントスで3点)が決勝点でリーグ最多。シュート数リーグ最多。ヘディング5点。被ファウル数10位タイ。

 

次点

 Lautaro Martínez(INT)

 ジェコ、ホアキン・コレアとのローテーションもあり先発は28試合に留まり、19-27節は8試合連続無得点という時期もあったが、昨季よりもボックス内の仕事の割合が増加し35試合21G(PK3)3Aを記録。得点数キャリアハイ、リーグ3位。シュート数2位タイ。90分あたりの枠内シュート数最多。枠に当てた回数4回。ビッグチャンスを逃した回数最多。

 

その他

 Victor Osimhen(NAP)

 インテル戦の顔面骨折もあり27試合の出場に留まったが、リーグ8位タイの14G(PKなし)を記録。9点が決勝点という勝負強さもある。驚異のジャンプ力とスペースに飛び込むスピードを活かしてヘディングゴール数はリーグ最多の7点。枠に当てた回数は5回で2位タイ。PK獲得数4回はリーグ最多。怪我がなく、PKも蹴れば(上手いのかは知らないが)余裕で得点王を獲れる。


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 Ciro Immobile(LAZ)

 負傷や病気で先発は31試合に留まったが、27G(PK7)2A。カウンター型ではなくサッリのポゼッションスタイルの中でも得点を重ねて通算4度目の得点王に輝いた。シュート数2位タイ、枠内シュート数最多。ヘディングゴール6点で2位。ビッグチャンスを逃した回数3位。1試合平均走行距離12位。出場した試合で無得点が3試合以上続くことがなかった。


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 Tammy Abraham(ROM)

 チェルシーから4000万€で獲得した期待のストライカーは36試合に先発し17G(PK3)4A。前半戦は決定機逸が目立ち6Gに留まったが、後半戦は11G。シュート数7位。枠に当てた回数5回で3位タイ。ビッグチャンスを逃した回数2位タイ。FP出場時間8位。ポストプレーも裏抜けもそこそこできてゴール前のポジショニングが良い。6試合連続無得点と7試合連続無得点があった継続性と決定力に課題を残す。

 

 Giovanni Simeone(VER)

 点取り屋を探していたエラス・ヴェローナカリアリからローンで加入すると、今季から取り入れたという瞑想パワーで32試合に先発し17G4Aを記録。得点数キャリアハイ、リーグ4位タイ。シュート数24位。ヘディングゴール4点で5位タイ。被ファウル数21位。ポーケル1回、トリプレッタ1回、ドッピエッタ2回と固め取りが多く、後半戦は5点のみと波が激しかったが、体幹の強さでDFを背負いカウンターの起点を作るプレーが効いていた。来季の所属は未定だが、フィオレンティーナでもカリアリでも2年目に得点が半減している。

 

 Marko Arnautovic(BOL)

 32歳で中国から欧州に復帰。怠けているかと思いきや、動きは軽快で、屈強なフィジカルと高い技術でボールを収め、強烈なシュートを見舞い、守備もきっちり行う優等生だった。先発32試合で14G(PK2)1Aを記録した。得点数はキャリアハイでリーグ8位タイ。シュート数9位タイ。ヘディングゴール4点で5位タイ。枠に当てた回数6回で最多タイ。キーパス数チーム2位。インテルでは意外にも3試合しかセリエAに出場しておらず今季がセリエA初ゴールだった。

 

マルチロール

 Mario Pasalic(ATA

 離脱者が相次ぐチームのなかで37試合に出場(先発は24試合)し、トップ下かシャドーを中心に、CF、LSH、CHでもプレーしながら13G6Aを記録。持ち前の得点嗅覚を大いに発揮して得点もアシストもキャリアハイ。サパタ、ムリエル、イリチッチがフル稼働できないチームを支えた。

 

 Eljif Elmas(NAP)

 離脱者が相次ぐチームのなかで、ナポリ加入3季目の今季はトップ下、両WG、ボランチで37(先発12)試合に出場し3G4Aを記録した。試合中にも選手交代で頻繁にポジションが変わるが即座に対応し、どこでもボールに絡めてスペースにも飛び出せる22歳。そろそろレギュラーの座を掴みたいはず。

 

 Ethan Ampadu(VEN)

 移籍市場終了間近にチェルシーからローン加入し、6節にセリエAデビューを果たすとアンカーのレギュラーを掴み、チーム状況によりCB、RSB、RWBも器用に務めた。イエローカード11枚、退場2回で出場停止が4試合あったが、デビュー以降は全試合の29試合に出場し3Aも記録した。リカバリー数14位。21歳。

 

監督

 Stefano Pioli(MIL) 10・3・5月月間最優秀監督

 

 Simone Inzaghi(INT) 12月月間最優秀監督

 ラツィオの契約延長オファーを蹴ってコンテの後任として連覇を狙ったが、自身初のスクデットにも僅かに届かず。ルカク、ハキミ、エリクセンら主力が抜けたが、コンテのベースにジェコ、ドゥンフリース、チャルハノールを組み込みつつ、より流動的なビルドアップを植えつけて最多得点、最多得失点差を記録した。

 

 Luciano Spalletti(NAP) 9・2月月間最優秀監督

 インテル解任後は2シーズン休んでいたが、今季からガットゥーゾの後任としてナポリの監督に就任すると、開幕からナポリのタレントを活かすビルドアップと速攻をミックスさせた戦いで首位をひた走った。その後は離脱者の続出に苦しみ、スクデット争いの佳境の4月に調子を落とした影響で3位に終わった。

 

 Vincenzo Italiano(FIO)

 スペツィアでの働きが評価されてフィオレンティーナの監督に抜擢されると、攻守にアグレッシブなカルチョフィオレンティーナでも披露。ヴラホヴィッチ退団後は得点力不足に泣いたが、7位でECL出場権を獲得し6季ぶりの欧州コンペティションに導いた。

 

 Igor Tudor(VER)

 ディ・フランチェスコ解任を受けて4節から着任すると、ユリッチのマンツーマンディフェンスをベースに、シメオネ、カプラーリ、バラクのゴール前でのクオリティと幅を使った攻撃で得点を量産し、引き抜きに遭い続けるチームを昇格から3季連続のトップハーフフィニッシュに導いた。

 

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 せっかくなのでミラン以外で優秀選手賞をあげたい選手や印象的だった選手も名前だけ羅列していって今季を終わりにします。

 

 Federico Dimarco (INT)

 Edin Dzeko (INT)

 Amir Rrahmani (NAP)

 Danilo (JUV)

 Álvaro Morata (JUV)

 Mattia Zaccagni (LAZ)

 Rui Patrício (ROM)

 Bryan Cristante (ROM)

 Pietro Terracciano (FIO)

 Igor (FIO)

 Nicolás González (FIO)

 Davide Zappacosta (ATA)

 Adrien Tamèze (VER)

 Antonin Barak (VER)

 Mërgim Vojvoda (TOR)

 Saša Lukić (TOR)

 Tommaso Pobega (TOR)

 Josip Brekalo (TOR)

 Georgios Kyriakopoulos (SAS)

 Hamed Junior Traorè (SAS)

 Giacomo Raspadori (SAS)

 Gianluca Scamacca (SAS)

 Pablo Marí (UDI)

 Destiny Udogie (UDI)

 Beto (UDI)

 Lukasz Skorupski (BOL)

 Arthur Theate (BOL)

 Fabiano Parisi (EMP)

 Petar Stojanovic (EMP)

 Szymon Zurkowski (EMP)

 Andrea Pinamonti (EMP)

 Bartosz Bereszynski (SAM)

 Francesco Caputo (SAM)

 Martin Erlic (SPE)

 Kelvin Amian (SPE)

 Simone Bastoni (SPE)

 Emil Bohinen (SAL)

 Éderson (SAL)

 Federico Bonazzoli (SAL)

 Milan Djuric (SAL)

 Giorgio Altare (CAG)

 João Pedro (CAG)

 Andrea Cambiaso (GEN)

 Morten Frendrup (GEN)

 Manolo Portanova (GEN)

 Domen Crnigoj (VEN)

 Sofian Kiyine (VEN)

 Mattia Aramu (VEN)

 

 読んでいただいた方はお疲れ様でした。自分もお疲れ様です。

 来季もセリエAを楽しみましょう。