自業自得記録地獄

主にACミランとセリエAに関する備忘録。

22-23セリエA第25節 vs フィオレンティーナ(A) 道を作る作業の差

 

 無失点での公式戦4連勝で2位と同勝ち点の3位に浮上したミラン。ミッドウィークのCLを目前に勢いを落としたくはない。

 

 3月4日はアストーリの命日。5周忌はプリマヴェーラに所属したミランと最後に所属したフィオレンティーナが対戦する。

 

 フィオレンティーナは7勝7分10敗、27得点30失点で12位。前節までのECLを含む5連戦は3勝1分1敗。勝利した3試合は3得点以上で、カブラウが4戦連発の5得点で絶好調。

  • ホームゲーム4勝4分4敗、16得点18失点。最近3試合は勝利なし。
  • 得点数12位タイ。セットプレーから5点、PKが2点、FKが1点。シュート決定率6%。最後の15分に最多の8点を奪っているが、その前の60~75分は0点。
  • 途中出場選手の得点数10点はリーグ2位
  • カブラウが5点、ニコラス・ゴンサレス、ボナベントゥーラ、ヨヴィッチが3点。2点が5人、1点が3人。
  • イコネが3アシスト、ビラーギ、クアメ、サポナーラ、マンドラゴラ、ソッティルが2アシスト。
  • シュート数2位枠内シュート数4位。枠内シュート数チームトップはカブラウとクアメ。枠外シュート数チームトップはイコネ。
  • クロス成功数最多CK数最多
  • オフサイド数16位(少)
  • 失点数9位タイ。無失点試合5。前半最初の15分に失点が多い。
  • セーブ数17位
  • リカバリー数8位タイ。チームトップはクアルタ。
  • インターセプト数17位。タックル成功数15位。クリア数最少
  • 1試合平均走行距離リーグ15位。ジョグ距離は4位。チームトップはビラーギ。
  • ポゼッションタイム3位。パス成功数5位。ファイナルサードのパス数2位ロングボール成功数最多
  • キーパス数2位ビラーギがリーグ最多
  • ドリブル数6位。被ファウル数4位にクアメ
  • セリエA過去21試合の対戦成績はミランの9勝5分7敗。アルテミオ・フランキではが3勝4分3敗の五分。
  • ピオーリはフィオレンティーナ戦通算11勝1分8敗。ピオーリvsイタリアーノはピオーリの3勝2敗。

 

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アタランタ戦後の5日間

 

 特になし。

 

先発&フォーメーション

 ミランはレオンとクルニッチが出場停止。ブラヒムがコンディション不良、ガッビアが発熱で欠場。バスケスが招集外。ベナセル、カラブリア、フロレンツィが復帰。カラブリア、ケアー、ジルー、レビッチが累積リーチ。

 メニャンがミランでの50試合目。

 フィオレンティーナはテルジッチが負傷欠場。

 

スタッツ&控え

FIORENTINA VS MILAN | Statistiche

 

ハイライト


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流れ

 

 ミランはテオが低めで4-2-3-1気味のビルドアップ。フィオレンティーナはテオから遠いドドも前に出ていくマンツーハイプレスで圧力をかける。ミランはジルーへのロングボール頼みだが、レビッチとデ・ケテラーレがジルーとリンクできない。

 フィオレンティーナはマンドラゴラがアムラバトとダブルボランチ気味になり、イコネが張ってテオをピン留め。ミランは基本的には人を捕まえて前線から追っていく。右サイドのドドにはトナーリがプレスに行き、トモリがボナベントゥーラを捕まえに行き、左サイドにボールがあるときはトナーリがボナベントゥーラをマークする。フィオレンティーナはカブラウがCB同士の間やサイドに流れて基点を作ったり、ドドやニコラス・ゴンサレスが内側に入っていったり、マンドラゴラとアムラバトが機を見て前線に顔を出すことで変化を生み出そうとする。

 

 12分、トモリからチャウへのパスがズレて、フィオレンティーナがボールを奪いPA手前でカブラウがチャウに倒されてFKを得る。ボナベントゥーラのシュートはメニャンがセーブ。

 13分、アストーリを追悼。

 ミランのビルドアップミスからニコラス・ゴンサレスが立て続けにシュートを撃つ。

 25分、クアルタからニコラス・ゴンサレスへのロングパスをカルルがカットするが、メシアスがニコラス・ゴンサレスに倒されてボールロスト。ノーファウルでフィオレンティーナが奪い、左に開いたカブラウが内側のニコラス・ゴンサレスに入れ、ニコラス・ゴンサレスがワンタッチでDFの背後を取ったマンドラゴラにパス。PA内でマンドラゴラの折り返しをボナベントゥーラが受け、テオとトナーリに寄せられながらシュートを撃つがメニャンが足に当て、ゴールライン手前でトモリがクリア。

 31分、スローインを受けたマンドラゴラからニコラス・ゴンサレスへのパスがズレてカルルがカット。パスを受けたベナセルが左裏に流れたジルーにロングパスを送り、ジルーがボレーで合わせるがテラッチャーノの正面。

 40分、チャウからデ・ケテラーレが降りて縦パスを受け、ワンタッチの落としを受けたトモリがワンタッチでDFラインの裏に抜け出したレビッチにロングパスを出すがテラッチャーノが飛び出してクリア。

 43分、デ・ケテラーレが降り、メシアスとテオが前線に上がり、メニャンからロングボール。ジルーがメシアスに繋ぎ、メシアスがPA内に侵入しようとするがイゴールが対応。

 45分、メニャンのリスタートからテオがデ・ケテラーレに繋ぎ、デ・ケテラーレがニコラス・ゴンサレスとドドをかわしてファーサイドに優しいクロスを上げるが、メシアスのヘディングは枠を捉えられない。

 0-0で前半終了。

 46分、イゴールからドドにサイドチェンジ。アムラバトが右に流れてパスを受け、イコネにパス。イコネがスルーでトモリをかわしPA内に侵入したところでトモリに倒されてPKを獲得。ニコラス・ゴンサレスが決めてフィオレンティーナが先制。1-0

 50分、メシアスが縦に突破してクロスを上げてミランのCK。トナーリのインスイングのボールをジルーが頭で合わせるがテラッチャーノがセーブ。

 54分、ミランがハイプレスをかけ、カブラウからマンドラゴラへの落としをベナセルがカットし、レビッチがミドルシュートを撃つがテラッチャーノがセーブ。

 57分、トモリが左足で外巻きのロングボールを裏に蹴ると、レビッチの内側からテオが抜け出してシュートを撃つがテラッチャーノが寄せてブロック。

 66分、オリギへのパスをクアルタがカットし、ドドがカブラウとの連係でPA内に侵入してシュートを撃つがメニャンがセーブ。

 67分、カルルからメシアスへのパスをビラーギがカットし、カブラウが収めて、ボナベントゥーラが左足コントロールシュートを撃つが枠の左に外れる。

 80分、左サイドからマンドラゴラのFKにヨヴィッチがファーで頭で合わせるがメニャンがセーブ。

 86分、ニコラス・ゴンサレスがカルルをブロックしながら左から中央に運び、中にポジションを取ったイコネが右サイドのドドに展開。ドドのクロスにチャウのマークを外したヨヴィッチが頭で合わせてフィオレンティーナが追加点を奪う。2-0

 90+2分、カルルからサレマが内側でパスを受け、テオが中央でイブラに縦パス。イブラがサレマに落とし、リターンをイブラが撃つがシュートは力なくテラッチャーノの正面。

 90+4分、トナーリのクリアをイブラが頭でオリギに繋ぎ、オリギがキープして落としを受けたアドリが左に流れたサレマに展開。サレマは外を回ったテオに出し、テオがワンタッチでニアを撃ち抜きミランが1点を返す。2-1

 2-1で試合終了。

 

ミラン

 

 フィオレンティーナの圧を押し返せず、ほとんど敵陣でプレーすることができない完敗。公式戦の連勝は4で止まり、ラツィオに抜かれて4位に落ち、ローマに抜かれる可能性もある。

 ビルドアップは相手の3トップに対してテオを降ろして4バックを作ろうとしたが、フィオレンティーナはそのまま対面のドドがスライドして同数でプレスをかけに来る。中盤もマンツーでマークに付かれているので結局ジルー頼みのロングボール。ジルーは収められないこともなかったが、レビッチとデ・ケテラーレを見つけられない。単純な後方での繋ぎのミスも多く、稚拙なビルドアップが劣勢の原因。前半の終盤はデ・ケテラーレの降りて受ける動きで前線にスペースを作り、いくつかチャンスになりかけたが、全体的にアクションが少なすぎた。フィオレンティーナもマンツー気味のプレスなので、前節の右サイドのポジションチェンジやテオを自由にする形などはバレているのも承知で試してみる価値はあったと思う。WBがSBを押し込んだ手前のスペースにボランチが開いたり、レビッチがサイドに立ったところからジルーの落としを横断しながら受けたり、他にもできることは多くあったはず。CLに気持ちが向かっていたから無駄走りをしたくなかったのだろうと指摘されても仕方ないパフォーマンスだった。

 それにしても、イタリアーノ監督のチームとの試合は毎回ビルドアップで詰んでいる気がする。あのプレッシングはスペツィア時代から大枠は変わっていないのでそろそろ上回ってほしい。

 3バック導入後、4バックの相手との対戦は初めてだった。試合開始時からマッチアップ自体は明確にすることができていたが、ボールホルダーへのアプローチに鋭さはなく、サイドチェンジに対するスライドも遅く、フィオレンティーナに余裕を与えてしまっていた。それでも、保持から崩されたのは失点の2場面くらいで、他の多くのピンチはビルドアップミスや中盤でのボールロストが起因。

 PKの場面はアムラバトが右サイドに出てきたことで、イコネからアムラバトにテオがスライドする必要が生じ、トモリはイコネにかわされ、本来であれば自分がカバーできるスペースに運ばれて焦ってしまった。

 2点目はニコラス・ゴンサレスの粘り強いドリブルとイコネのポジショニングでイレギュラーな状況を作り、テオとトナーリが簡単にイコネからドドに通させてしまい、チャウは下がりながら広いスペースでヨヴィッチを背後に置く難しい状態での対応を求められ、ドドからヨヴィッチに完璧な意思疎通クロスが通ってしまった。

 結局、4バックの時と変わらないトナーリをSBに行かせるプレッシングを選択したのが間違いだったのかもしれない。ただ、5-4-1や5-3-1-1でCBに持たせるローブロックはインテル戦の二の舞いになりそうで奪いに行く形を作れなさそうだし、カウンターのイメージが浮かばないので難しい。

 

 メニャンがいなかったらさらにビルドアップが酷かったと思うと震える。

 レオン欠場のチャンスを活かせないレビッチとオリギ。

 病み上がりベナセル。

 レビッチがコーナーを蹴るのはなぜ?

 バカヨコ、3バックで序列を上げる。

 アドリ、プレアシスト。

 

 次は水曜日にアウェイでトッテナムとの2ndレグ。切り替えて絶対にベスト8に行きます。

 

フィオレンティーナ

 

 たまにあったピンチはテラッチャーノが良い対応で防ぎ、それ以外はプレッシングで試合を支配。ミランの敵陣でのポゼッション割合を20%に抑えた。

 イコネが前節に続いてドリブルで先制点を生み出す大仕事。

 クアルタ、イゴール、ビラーギ、アムラバト、マンドラゴラとビルドアップに関わるほとんどの人がロングパスを蹴れるのはダルい。

 

主審 Marco Di Bello VAR Aleandro Di Paolo

 

 カブラウのハンドという幻覚。